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Jリーグ 4か月前

「自分にとっても挑戦」。笠柳翼はサポーターの声を力に変える。V・ファーレン長崎のために「何か恩返しがしたい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 椎葉洋平 photo by 椎葉洋平

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 V・ファーレン長崎は8月9日、明治安田J2リーグ第25節で北海道コンサドーレ札幌と対戦し、2-1で勝利した。高卒4年目の笠柳翼は今季、開幕スタメンを勝ち取ったものの、3月のベガルタ仙台戦で右小趾基節骨を骨折。復帰以降は途中出場と中々思うような結果を残せていなかっただけに、この試合にかける思いは特別だった。(取材・文:椎葉洋平)

 

流れを変えた笠柳翼の突破力

V・ファーレン長崎 笠柳翼

【写真:椎葉洋平】

 PEACE STADIUM Connected by SoftBank(ピーススタジアム)で開催された北海道コンサドーレ札幌戦。V・ファーレン長崎が前半からボールを握ったものの、チャンスを効率的に活かし、18分に先制点を奪ったのは札幌だった。長崎はそれ以降もアタッキングサードまでは至るものの、最後の局面で粘る札幌の守備を崩しきれない。

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 悪くない内容ながら、得点が遠く、リードを許したまま試合を折り返す。自動昇格を目指しながらも試合前の時点で6位に留まっていた長崎にとって、道を切り開いていくには勝ち点3を重ねていくしかない。後半での複数得点が必要な状況下で、高木琢也監督は後半開始から笠柳翼をピッチに投入する。

 攻撃的で突破力に優れる彼を左ウイングバック(WB)に置き、左WBから右へとスイッチした翁長聖とともにサイドの打開力を引き上げていく。

 笠柳は「いいところまでは前半も運べていたが、最後のクオリティとかドリブルで深いところまで入っていくというのが足りていなかった。そこは自分の仕事場なので、全部仕掛けるぐらいの気持ちで臨みました」と貪欲に仕掛け、サイドの起点となっていく。

 ただ、札幌も粘り強い守備をしつつ、カウンターから追加点を狙い、スコアが動かないまま時間は過ぎていく。

 左サイドに化学反応が起きたのは、後半の半分が過ぎた68分のことだった。敵陣深くからの相手のスローインを松本天夢がカットすると、笠柳、山﨑凌吾、フアンマ・デルガドと1タッチでつながり再び笠柳へ。ここで笠柳は1度スピードを落とし、相手選手が迫ってきたところで急加速。振り切ってクロスを上げた。

「多分相手は2タッチするだろうなというぐらいの(寄せの)緩さだったので、一気にスピードを上げて1タッチでボールを持ち出せた。いい駆け引きの勝ちだったと思います」と自画自賛するプレーから送ったボールは、正確にマテウス・ジェズスのもとへ届く。マテウスは巧みに左足ボレーで合わせ、ネットを揺らした。

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