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Jリーグ 4か月前

「自分にとっても挑戦」。笠柳翼はサポーターの声を力に変える。V・ファーレン長崎のために「何か恩返しがしたい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 椎葉洋平 photo by 椎葉洋平

「チャンスを拾えるか拾えないかで自分のキャリアは変わってくる」

 同点となって以降は両チームが2点目を目指す流れに。札幌は90分に決定機を迎えたがクロスバーに当たり外れると、一方の長崎は笠柳とマテウスのコンビが再び得点に絡む。相手のパスを笠柳がカットし、このルーズボールにマテウスが反応。DFとの競争となり、左から寄せると見せかけ右へと回る。巧みに入れ替わって駆け引きを制し、GKとの1対1も冷静に沈めた。勝利が必要なゲームで、90+7分に決勝点を奪っての逆転勝利。チームにとってはもちろん、笠柳にとっても大きな白星となった。

「ここで(活躍)できなかったら次はないなと思いますし、こういうチャンスを拾えるか拾えないかで自分のキャリアは変わってくると思う。呼ばれた時に『今日がラストチャンスだな』と思っていたので、しっかり覚悟を決めて試合に臨むことができたと思います」

 相当な覚悟を持って挑んだ一戦で、チームを勝利に導いてみせた。

 激闘の翌日。笠柳の姿は再び長崎スタジアムシティにあった。ただ、今回はピーススタジアムではない。複合施設のスタジアムシティ内には、プロバスケットボールのB1リーグ所属の「長崎ヴェルカ」が使用する「HAPPINESS ARENA」があり、その屋上には人工芝2面のフットサルコートが設置されている。そこで開催されたサッカースクールに、笠柳はいた。

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