「対策を練っていました」
先制点が勝負を分ける。誰もがそう思っていたことだろう。千葉はプレスを回避しながらボールを前に運ぶと50分、日高が中央にパスを送り、FWカルリーニョス・ジュニオが落とし、呼び込んだ森がシュートするもGK田中颯の正面。6分後の田口のミドルシュートは田中に阻まれた。
そして61分には右サイドの侵入を許し、クロスのこぼれ球をDFエウシーニョに狙われたが、リスク管理を徹底していたホセ・スアレスがファインセーブする。
「彼らはカウンターアタックに強みがあるので、(トレーニングから)対策を練っていました」
白熱する戦いが続く中で65分、ついに均衡が破れた。敵陣地右サイド深くでのスローインから、一度奪われたものの素早い切り替えで千葉が奪い返すとカルリーニョス・ジュニオがドリブルで運び鋭いクロスを入れる。瞬時に田中が右手で弾くが、ゴール前に飛び込んだ森の手前にいたDF山越康平の左足に当たり、ボールはそのままゴールマウスへ転がっていった。
結果的にオウンゴールとなったが、スペースを見つけゴールキーパーとディフェンダーの間にクロスを通したカルリーニョス・ジュニオの精度やストライカーとしての森の嗅覚とガッツが体現されたものだった。
「あそこに飛び込むことは練習から意識していますし、オウンゴールでしたが良い形だったと思います」(森)。
その後は、徳島が押し込む展開を見せるが“守護神”ホセ・スアレスが立ちはだかった。