「自分の才能と準備があるからこそ…」
守護神を辞書で引けば“守り神”とある。実際、その名に相応しい活躍をしたのだ。チームの勝敗に直結するプレーは文字どおり神がかり、彼の好セーブによって救われる場面が何度もあった。
82分、FWトニー・アンデルソンがペナルティーエリア手前から枠内にシュートを放つも守護神が右手で弾く。85分にはDF田向泰輝のクロスにFWトニー・アンデルソンがヘディングで合わせたが阻んで見せる。
89分には徳島がフリーキックを獲得し、MF永木亮太の蹴ったボールを山越がペナルティーエリア中央からヘディングで狙ったが、これも止めて見せた。続く90+4分にも、ペナルティーエリア内のこぼれ球をトニー・アンデルソンにシュートを打たれたが鋭い反応でゴールを死守する。
「自分の持ち味はポジショニングです。そして手が長いことを自負しているので、自分の才能と準備があるからこそ難しいシュートを止められると思っています」と胸を張る。
タイムアップの瞬間には両膝をつき両手をフクアリの夜空に上げ勝利を噛み締めると、センターバックのDF鳥海晃司とDF河野貴志と抱き合い喜びを分かち合った。
今シーズンよりチームに加入した背番号19は、ここまで22試合に先発出場。187センチのサイズを誇りペナルティーエリア内を支配し、腕も長いことでハイクロスに対しても迷わず飛び出し、ボールをその手に収める。シュートストップも最大の武器ではあるが、たった一人で守り切ることは不可能である。10人のチームメイトと力を合わせ失点を防いだが最少ビハインドを巡る攻防は守護神なくしては成立しなかった。