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「自分の能力が足りない」サッカーU-19日本代表、徳田誉が抱えるギャップ。鹿島アントラーズで出られない日々への本音【コラム】

サッカーU-19日本代表、徳田誉
サッカーU-19日本代表の徳田誉【写真:藤江直人】



 年代別の日本代表では着実な手応えを得る一方、所属する鹿島アントラーズでは出場機会に恵まれず、もどかしい時間を過ごしている徳田誉。U-19代表候補合宿ではプレー機会を得て課題と収穫を実感したが、クラブではFW陣の厚い壁に阻まれている。それでも現状を受け止め、成長への糧に変えようとしている。(取材・文:藤江直人)[2/2ページ]

「ああいった悔しさを再び味わわないためにも…」

鹿島アントラーズ、徳田誉
PKを外し、うつむく鹿島アントラーズの徳田誉【写真:Getty Images】

 ガンバ大阪との第33節。両チームともに無得点で迎えた後半アディショナルタイムに獲得したPKを任された徳田は、相手キーパーの一森純にセーブされてしまう。そのまま引き分けた試合後に号泣した。

「いまは特に意識していないというか、もう過去のことなので。自分のなかでいろいろと考えるところもあったし、悩むところもありましたけど、それを引きずっている場合じゃないと思っているので。

 もちろん悔しかったし、まだまだ足りないものがあると感じさせられました。ああいった悔しさを再び味わわないためにも、もっと、もっとやらなきゃいけないものがあるといまは感じています」



 リーグ戦で2位だった柏との勝ち点差はわずか1ポイント。ガンバ戦のドローが響いてくるおそれもあったなかで、代表候補合宿を視察に訪れた鹿島の鈴木満フットボールアドバイザーはこう語る。

「優勝して終わって笑い話で済んだというか、救われたんじゃないか。もう引きずっていないでしょう」

 頼もしげな視線を送られた徳田も、同じシチュエーションが訪れたら、という問いにこう答えた。

「そういった思いにはまったく…」

鹿島アントラーズ、徳田誉
鹿島アントラーズの徳田誉【写真:Getty Images】

「もちろんそう(蹴ります)ですね。PKに対していま現在もコンプレックスを抱いているとか、もう蹴りたくないとか、そういった思いにはまったくなっていないので」

 20日には日本サッカー協会(JFA)の山本昌邦技術委員長が、来たるFIFAワールドカップ北中米大会に臨む森保ジャパンのトレーニングパートナーとして、U-19日本代表を現地へ帯同させるプランを明かした。

 西野ジャパンが臨んだ2018年のロシア大会でもU-19代表がトレーニングパートナーを務め、23人のなかから大迫敬介、菅原由勢、伊藤洋輝、そして久保建英らがその後に森保ジャパン入りを果たした。

 今回の構想ではU-19代表を2チーム編成し、ひとつはフランスで開催されるモーリスレベロトーナメントに臨む。トレーニングパートナーとどちらを望むのか。徳田は「特にないですね」とこう続けた。



「ワールドカップのメンバーとプレーできる機会はすごく重要で、いい経験になると思います。いつかは自分も選ばれたい舞台ではあるし、ワールドカップの空気感はやはり現地へいかなきゃわからないので。

 ただ、モーリスレベロトーナメントで国際で同世代の世界の国と戦うのもすごく大きな経験になる。どちらに選ばれる、選ばれないにしろ、そこは自分の置かれた立場でやらなきゃいけないと思っています」

 代表での照準は来年にアゼルバイジャンとウズベキスタンで共同開催される、FIFA・U-20ワールドカップにすえられ、おのずと2028年にロス五輪を控えるU-23代表入りも視野に入れていく。

 その過程で王者・鹿島での定位置も狙っていくホープの徳田へ。前出の鈴木アドバイザーは「練習ではしっかりといいプレーを見せているし、あとはきっかけですね」と目を細めながらこう語る。

「すべては自分次第だと…」

サッカーU-19日本代表、徳田誉
サッカーU-19日本代表の徳田誉【写真:藤江直人】

「センターフォワードタイプで、さらにシュートがすごくうまい。中央にどっしりと構えて、ポストプレーもできて、さらにレオ・セアラのようにエリア内で勝負するタイプの選手になってほしい」

 徳田自身もシュートのうまさが武器だと自負する。そのうえで鹿島での競争へ向けてこう語る。



「ゴール前において、自分の武器のところでまず負けちゃいけない。そのうえでオールラウンダーな選手になって、もっとチームに貢献できるようになっていかないと、試合に絡んでいくのはやはり厳しい。

 現在のチームのなかには特徴が違うフォワードが大勢いるし、トレーニングの段階から彼らのいいところをうまく盗みながら、自分のよさに変えていけたらいい。すべては自分次第だと思っています」

 百年構想リーグの舞台から遠ざかっていても、徳田はファイティングポーズを失っていない。逆に飛躍するために低く屈む時期だと自らに言い聞かせながら、目の前の一日一日を大事に過ごしていく。

(取材・文:藤江直人)

【著者プロフィール:藤江直人】
ふじえ・なおと/1964年、東京都渋谷区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後の1989年に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでJリーグ発足前後のサッカー、バルセロナ及びアトランタ両夏季五輪特派員、米ニューヨーク駐在員、角川書店と共同編集で出版されたスポーツ雑誌「Sports Yeah!」編集部勤務などを経て07年からフリーに転身。サッカーを中心に幅広くスポーツの取材を行っている。サッカーのワールドカップは22年のカタール大会を含めて4大会を取材した。

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【了】

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