サッカーに限らず、一流アスリートは学業を疎かにしがちというイメージもあった。しかし実際には、スポーツだけでなく、勉強にもしっかりと励んできた選手たちもいる。今回は、偏差値70以上のトップレベルの高校を卒業し、現役のプロとして第一線で活躍するJリーガー5人を厳選して紹介する。偏差値は「高校偏差値.net」2026年度版を参照。[2/5ページ]
MF:戸嶋祥郎(としま・さちろう)
生年月日:1995年9月26日
所属クラブ:柏レイソル
出身高校:さいたま市立浦和高等学校(偏差値:70)
2020年から柏レイソルでプレーしている戸嶋祥郎は、埼玉県のさいたま市立浦和高等学校出身だ。
同校は埼玉県におけるサッカーの名門校でありながら、県内屈指の進学実績を誇る、まさに「文武両道」を象徴する名門校として知られる。
埼玉県では近年、昌平高等学校や正智深谷高等学校といった私立校が全国的な結果を残しているが、かつてサッカーといえば、浦和周辺が盛んな地域だった。
なかでも市立浦和は、選手権県大会優勝回数が歴代最多の14回を数えている超名門だ。
中学時代を浦和レッズのジュニアユースで過ごした戸嶋は、ユースに昇格せず、市立浦和に入学。3年時に主将としてチームを牽引し、5年ぶりとなる全国選手権出場を果たすと、ベスト16進出へと導く立役者となった。
さらに驚くべきことは、大会後の選択だ。
高校サッカー界で名を馳せた選手には大学の推薦枠が用意されることが多いものだが、戸嶋は自らの意志で国立・筑波大学への「一般入試」に挑戦し、見事合格を勝ち取った。
大学時代にはユニバーシアード日本代表にも選出され、その類まれな戦術眼は「気が利く選手」と各方面から絶賛された。
2026シーズンの柏においても、相手の嫌がるスペースを瞬時に見極め、献身的に埋めるプレースタイルは健在だ。
浦和というエリートコースから外れたことは、プロを目指すサッカー選手にとっては転落にも映る。
だが、それを自らの頭脳で「最高の正解」へと書き換えた戸嶋の歩みは、多くの若きアスリートが参考にしたい指針と言えそうだ。

