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「落ちたら何もない」川崎フロンターレ、持山匡佑が示した這い上がる力。22歳のストライカーの“目を変えた”脇坂泰斗がかけた言葉とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images
川崎フロンターレ、持山匡佑
川崎フロンターレの持山匡佑【写真:Getty Images】



 約半年間、ベンチ外の日々が続いた持山匡佑が、ついに等々力のピッチへ立った。途中出場ながら果敢なシュートで存在感を放つと、PK戦では勝利を呼び込むキックも成功。川崎フロンターレの若きFWは、多くの先輩たちに支えられながら、大きな一歩を踏み出した。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

明治安田J1百年構想リーグ・地域ラウンドEAST第17節
川崎フロンターレ 1-1(PK5:4) FC町田ゼルビア
Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

序盤から相手を押し込んだ川崎フロンターレ

川崎フロンターレ、山本悠樹
川崎フロンターレの山本悠樹【写真:Getty Images】

 明治安田J1百年構想リーグも最終盤を迎え、EASTは2025年J1王者の鹿島アントラーズが1試合を残して首位通過を確定させた。

 その傍らで、同大会制覇によるAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)出場権獲得を狙っていた川崎フロンターレはまさかの中位に沈んでいる。

 大型連休の5連戦は2勝3敗と黒星先行だっただけに、5月17日のホーム・FC町田ゼルビア戦では2試合ぶりの勝ち星を貪欲に取りにいった。

 相手もACLEファイナルを含めた9連戦のラストということで、疲労困憊状態。序盤から川崎の方が攻め込んだ。

 19分にはキャプテン・脇坂泰斗の反転シュートが左ポストを直撃。32分にもショートカウンターから脇坂がゴール前に抜け出して放ったシュートが左ポストを叩くなど、押し込みながらも1点が遠い。


 
 そんな川崎の一瞬の隙を突くかのように、町田は40分、キックの名手・下田北斗のフリーキックにテテ・イェンギが頭で合わせて先制点をゲット。川崎は0−1のビハインドを強いられたのだ。

 1点を追いかけることになった後半。彼らは攻撃のギアを上げ、一気呵成に攻め込んでいく。

 町田が疲れで足が止まったのもあり、一方的に押し込む展開となった。そこで長谷部茂利監督は持ち駒を次々と投入。72分には3枚替えに打って出たのだ。

 このタイミングで河原創、長璃喜とともにピッチに立ったのが、今年、中央大学から加入した大卒ルーキー・持山匡佑だ。

百年構想リーグ初出場を果たした持山匡佑「約半年間ベンチに入れない期間が…」

川崎フロンターレ、持山匡佑
川崎フロンターレの持山匡佑【写真:Getty Images】

 満を持してリーグ初出場を飾った22歳のFWは「約半年間ベンチに入れない期間が続いて、悔しい気持ちもありましたけど、そういう中でもあまり緊張せずに落ち着いて入れたかなと思います」とコメント。普段通りのマインドで幼少期から憧れていた等々力の舞台に立った。

 静岡学園高校出身で、古川陽介(SVダルム・シュタット98)や玄理吾(サガン鳥栖)が同期という彼は左右両足でボールを蹴れて、ジャンプ力があり、アグレッシブさも備えた点取り屋だ。

 登場から3分後の75分には、いきなり強引なシュートを相手守護神・谷晃生へ放つなど、強心臓ぶりを示していく。

 その後もスムーズにチームに適応。体を張って前線で起点になる意識を押し出すなど、悪くないプレーを見せていた。



 持山、長ら、フレッシュな面々が圧力を加えた成果もあり、川崎は後半終了間際に山原怜音のシュートから中山雄太のハンドを誘って、PKを獲得。

 これを脇坂が確実にゴール。何とか1−1に追いつくことができた。

 さらに後半アディショナルタイムも攻め続け、持山にも大きな見せ場がやってくる。

 山本悠樹の左からのクロスに反応し、打点の高いヘディングシュートを放つ。これはゴールかと思われたが、脇坂と重なったのもあり、惜しくもバーを越えていったのだ。

「いいボールが上がってきたんですけど…」

川崎フロンターレ、持山匡佑
川崎フロンターレの持山匡佑【写真:Getty Images】

 「悠樹君が見てくれるというのは話をしていたんで、いいボールが上がってきたんですけど、あとは決め切るだけだったと思います」と本人も悔しさをにじませた。

 ただ、こうした場面で決め切れるようになれば、今後さらに出場機会を増やしていくはず。そんな可能性を感じさせたシーンでもあった。

 試合はPK戦に突入。町田の2番手・中山と川崎の3番手・山本が外して6人目までつれ込み、相手の6番手・仙頭啓矢が失敗。その次に出てきたのが持山だった。



 静学出身ということで足元の技術に自信があるのか、堂々と中央に蹴り込み、チームに勝利をもたらすことに成功。川崎デビュー戦で“等々力劇場”の立役者になったのである。

 背番号「20」の一挙手一投足を間近で見守っていたのが、中央大学時代から4年間指導した中村憲剛デベロップメントコーチだ。

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