クラブの収益やスタジアムの熱狂を高める上で、観客の存在は欠かせない要素だ。多くのファン、とりわけ遠方からのアウェイサポーターを呼び込むためには、各地域の玄関口となる「主要駅」からのアクセス利便性が重要なカギを握る。今回はJリーグ全クラブを対象に、主要駅からスタジアムまでの徒歩所要時間を『Googleマップ』で調査。「主要駅から遠いスタジアム」をランキング形式で紹介する。[2/5ページ]
9位:サンプロ アルウィン
使用クラブ:松本山雅FC
主要駅:松本駅
主要駅から徒歩:114分(7.9km)
【歩くのは困難】
主要駅から9番目に遠いスタジアムとしてランクインしたのは、松本山雅FCのホーム「サンプロ アルウィン」だ。
長野県有数の規模を誇り、東京からの特急「あずさ」や名古屋からの特急「しなの」が発着する大都市・松本市の中心駅である松本駅から、スタジアムまでの距離は7.9km。もし歩いて向かうとなれば114分かかる。
地理的な最寄り駅としてはJR篠ノ井線の村井駅などが挙げられるが、そこからの公共交通機関は乏しい。
そのため、遠方から訪れるアウェイサポーターは松本駅を拠点とし、スタジアム直行のシャトルバスを利用するのが最もスムーズなルートと言える。
ちなみに、このスタジアムは「信州まつもと空港」のすぐ隣に位置しており、空路でのアクセスが非常に良いという一面もある。試合中にスタンドの真上を飛行機がかすめていく光景はアルウィン名物だ。
しかし、その頼みの綱であるシャトルバスの運行環境にも変化が生じている。
【無料シャトルバスもギリギリ?】
昨今のバス運転手不足やコスト高騰を背景に、2025年からは無料運行を継続しつつも乗車時に「協力金」を募る形へと踏み切ったほか、始発時間の繰り下げや路線の縮小など、アクセス手段を維持していくことの難しさが浮き彫りになっている。
それでも、こうしたシャトルバスの無料継続や充実したスタジアムグルメなど、クラブ側の集客努力によって同スタジアムの観戦体験の評判は高い。
だからこそ、J2・J3百年構想リーグでの集客数は1試合平均1万401人で堂々の3位を誇る。主要駅からの距離というハンデを抱えながらもこれほどの圧倒的な集客力を維持できるのは、地域に根差したクラブとサポーターの熱量の賜物と言えるだろう。

