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コラム 3時間前

「同じことを繰り返しては…」W杯の初戦が持つ意味。日本代表の過去の戦いから紐解く教訓とは【北中米W杯コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Etsuko Motokawa,Getty Images
日本代表 ナッシュビルでのトレーニング ウォームアップ
ナッシュビルでトレーニングを行うサッカー日本代表【写真:元川悦子】



 ついにFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)が開幕した。48カ国制へと拡大した新フォーマットのもと、グループリーグの戦いはこれまで以上に複雑さを増している。日本代表の初戦は14日のオランダ代表戦。この試合での結果が、その後の戦い方や突破シナリオを大きく左右することは間違いない。これまでの日本代表の歴史を踏まえ、初戦の意味を改めて考える。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

グループリーグ敗退に終わった大会はいずれも…

2006年ドイツ大会のサッカー日本代表
2006年ドイツ大会でオーストラリア代表に敗れたサッカー日本代表【写真:Getty Images】


 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)が、6月11日のメキシコ代表対南アフリカ代表の一戦から開幕。48カ国によるビッグトーナメントがついにスタートした。

 ご存じの通り、日本の初戦は14日のオランダ代表戦。その後、20日のチュニジア代表戦、25日のスウェーデン代表戦を消化するが、まずはオランダ代表戦の結果次第で、グループリーグの成否、今後の展開が大きく変化すると言えるだろう。

 日本の過去のW杯を振り返ると、初戦で勝ち点を手にできていない大会はグループリーグ敗退の憂き目に遭っている。それが98年フランス大会、2006年ドイツ大会、2014年ブラジル大会の3大会だ。

 日本がW杯初出場を果たした1998年は、初戦でアルゼンチン代表と対戦した。

 ガブリエル・バティストゥータ、クラウディオ・ロペスらスター軍団に日本は善戦していたが、相手の縦パスが名波浩に当たってこぼれたボールをバティストゥータに押し込まれたゴールが決勝点となり、0−1で敗戦。その後クロアチア代表、ジャマイカ代表にも敗れ、3戦全敗で最下位に沈んだ。

 2006年は中田英寿、中村俊輔らタレントを擁した前評判の高いチームだったが、初戦のオーストラリア代表戦で1−3という衝撃的な逆転負けを喫した。

初戦の崩れが招いた連鎖

2014年ブラジル大会でコートジボワール代表に逆転負けを喫したサッカー日本代表
2014年ブラジル大会でコートジボワール代表に逆転負けを喫したサッカー日本代表【写真:Getty Images】


 前半のうちに中村俊輔が先制点を奪ったところまではよかったが、後半からティム・ケーヒルが出てくると流れが一変。ラスト10分を切ったところで圧倒的に押し込まれ、ケーヒルに2得点を許すと、さらにジョン・アロイージにも追加点を奪われ、万事休すとなった。

 最後のブラジル代表戦も玉田圭司の先制点が生まれたが、そこから王国が本気を出し始め、終わってみれば1−4の惨敗。やはり最初の入りの悪さを取り返せなかった。

 この2006年に酷似していたのが2014年だ。ブラジルW杯の日本代表も本田圭佑、長友佑都、香川真司らを擁したチームだったが、初戦のコートジボワール代表戦で大きなミスを犯してしまう。

 2006年初戦同様、この試合も本田が先制ゴールを決め、試合は日本優位で進んでいた。しかし、後半途中にディディエ・ドログバが投入されると、状況が一変。守備陣は押し下げられ、わずか2分間でウィルフリード・ボニー、ジェルヴィーニョに立て続けに2失点。1−2の逆転負けを喫し、チームの士気が一気に低下した。

「あの夜のことは今も忘れられない」と香川も述懐していたが、敗戦のダメージはあまりにも大きすぎた。

 その後、ギリシャ代表戦では相手に退場者が出ながら1点を奪えず、0−0のドロー。3戦目のコロンビア代表戦も早い時間に失点し、岡崎慎司のゴールで1点を返したものの、最終的には1−4の完敗を喫した。

「同じことを繰り返しては…」

サッカー日本代表、長友佑都
サッカー日本代表の長友佑都【写真:元川悦子】


 長友は「自分たちは自信を持っていた部分があったけど、過信だったことを終わってから気づいた」と改めて発言。「今回、同じことを繰り返してはいけない」と強調しているのだ。

 仮にオランダ代表戦で失敗したらどうするのか…。筆者は5月の囲み取材で当時のキャプテンである、長谷部誠コーチに問いかけた。すると彼はこう回答した。

「初戦はオランダで、難しい相手ですけど、今回から大会のレギュレーションが変わって48チーム参加になりましたし、上位2位がダイレクトに突破で、3位でも12チーム中8チームが上に進めるという状況。その違いを考えなければいけないし、いろんなシミュレーションをしながら戦っていく必要があると思っています」

 つまり、仮に初戦で黒星発進したとしても、「最悪でも3位になれば何とかなる」という視点で戦うことが重要だと、長谷部コーチは言いたいのだろう。

 確かに1998年、2006年、2014年の日本代表はそこまでの余裕はなかった。初戦に100%で挑んで敗れた時、「自分たちはどうしたらいいのか」と途方に暮れ、そのまま立て直すことができなかった。

 そういうマインドでは、北中米W杯で勝ち上がるのは厳しいのかもしれない。

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