
オランダ代表のキーマンたち【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)の初戦となるオランダ代表戦は、日本代表にとってグループステージ突破を占う重要な一戦となる。世界トップクラスの実力者が揃うオランダ代表に対し、日本はどの局面で優位に立てるのか。試合の行方を左右しそうな5つのマッチアップを整理した。(文:河治良幸)[2/2ページ]
中盤のフィジカルバトルを制するのは…

オランダ代表MFライアン・フラーフェンベルフと日本代表MF佐野海舟【写真:Getty Images】
④ ライアン・フラーフェンベルフ vs 佐野海舟
中盤のフィジカル勝負では、ライアン・フラーフェンベルフと佐野海舟の攻防が見どころとなる。
フラーフェンベルフは190センチ近い恵まれた体格を誇りながら、運動量も豊富で、デ・ヨングの前で攻守を支える存在。オランダ代表が中盤で優位に立つためには欠かせない選手だ。
アンカーなのかインサイドハーフなのかは蓋を開けてみないと分からないが、フラーフェンベルフをいかに気持ちよく走らせないかが大事になる。
一方、佐野は日本屈指のボール奪取能力を誇る。
広範囲をカバーしながら相手の攻撃の芽を摘む役割が期待される。オランダ代表は中央から押し込み、日本は素早いカウンターを狙う展開が予想されるだけに、このエリアでどちらがセカンドボールを回収するかが勝敗に直結する。
ここで佐野が互角以上に渡り合えれば、試合は大きく引き締まるはずだ。
上田綺世に託されるオランダ攻略の鍵

オランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクと日本代表FW上田綺世【写真:Getty Images】
⑤ フィルジル・ファン・ダイク vs 上田綺世
日本のエースとオランダ代表の主将によるマッチアップは、この一戦最大の見どころの一つだ。フィルジル・ファン・ダイクはオランダ代表守備陣の絶対的リーダーであると同時に高さ、強さ、読みの鋭さを全てを兼ね備えた世界屈指のセンターバックだ。
一方の上田綺世は、オランダリーグで25得点を叩き出したエースであり、ターゲットマンでもある。
もちろんファン・ダイクとの1対1では簡単に勝てないが、重要なのは、上田がゴールだけでなくファン・ダイクの“相棒”を務めるヤン・ポール・ファン・ヘッケも含むセンターバックを引き出し、中村や鎌田が侵入するスペースを作れるかどうか。
ユリエン・ティンバーが離脱したオランダ代表に対して、守備の要を揺さぶることができれば、日本にも勝機は見えてくる。
【総評】
日本とオランダ代表の初戦は、「個の力」で上回るオランダ代表に対し、「組織力」で挑む日本という構図となる。
特にダンフリースとガクポの両サイドをどう封じるか、そして中盤でデ・ヨングとフラーフェンベルフに主導権を渡さないことが重要だ。
一方で日本にも、上田の鋭い動きだしや中村のスピードを活かせる場面は必ず訪れるはず。
W杯初戦特有の緊張感の中、これら5つのマッチアップの勝敗が、ダラスでの大一番の行方を大きく左右しそうだ。
(文:河治良幸)
【著者プロフィール:河治良幸 フリーライター】
東京都出身。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当し、プレー分析を軸にグローバルな視点でサッカーの潮流を見続ける。セガ『WCFF』の選手プロフィールを担当。著書に『勝負のスイッチ』『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』『サッカー番狂わせ完全読本ジャイアントキリングはキセキじゃない』がある。X:@y_kawaji
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