
W杯、大金星ランキング【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ(W杯)は、格上相手に命がけで立ち向かうチームが奇跡を起こす舞台だ。FIFAランキングの差が大きいほど、その勝利は歴史に刻まれる。目下開催中の北中米W杯でも大会を盛り上げるアップセットが散見されるが、史上最も力量差を覆した下剋上はどの試合か。今回はFIFAランクが発表された1993年以降の大会を対象に、順位差をひっくり返したマッチアップをランキング形式で紹介する。※各順位は大会開催前のもの[2/5ページ]
9位:カメルーン代表対ブラジル代表

2022年カタールW杯を戦ったカメルーン代表【写真:Getty Images】
大会:2022年カタールW杯
FIFAランキング差:42
敗者チームFIFAランキング:1
勝者チームFIFAランキング:43
スコア:1-0
【「王国」からの勝利が絶対条件】
2022 FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会のグループG第3節、カメルーン代表対ブラジル代表の一戦は、大会屈指のアップセットとしてサッカーファンの記憶に刻まれた。
試合前の状況は対照的であった。2連勝でグループ突破を決めていたブラジルは、スタメンを9人入れ替える大胆なターンオーバーを採用した。それでもガブリエウ・マルティネッリやアントニー、ロドリゴといった豪華なメンバーが名を連ね、圧倒的な戦力を誇っていた。
一方、勝ち点1のカメルーンにとって、決勝トーナメント進出には「王国」からの勝利が絶対条件であった。
試合は大方の予想通り、ブラジルがボールを支配して猛攻を仕掛ける展開となる。両サイドから幾度となく決定機を作られるが、カメルーンはGKデヴィス・エパシの神がかった好セーブ連発と、DF陣の体を張った粘り強い守備でゴールを割らせない。
そしてスコアレスのまま迎えた後半アディショナルタイム、劇的なドラマが待っていた。
【エースのヘディングが…】
カウンターから右サイドを抜け出したジェローム・エンゴム・ムベケリのクロスに、エースのヴァンサン・アブバカルがヘディングで合わせ、ついに均衡を破った。
歓喜のあまりユニフォームを脱いだアブバカルは、この日2枚目の警告を受けて退場処分となるという、まさに死闘を象徴する結末を迎えた。
試合はそのまま1-0で終了。他会場の結果によりカメルーンのグループリーグ敗退は決まったが、ブラジルから金星を挙げたこの勝利は、同国にとってW杯で20年ぶりの白星という歴史的快挙となった。
戦力差を覆し、最後まで諦めずに戦い抜いたカメルーンの姿は、ワールドカップの醍醐味を存分に世界へ示した。