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なぜ日本代表はW杯第2戦を苦手としているのか。立ちはだかる“鬼門”の歴史とは【北中米W杯コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Etsuko Motokawa,Getty Images
北中米W杯 1次リーグ オランダ戦に臨むサッカー日本代表
オランダ代表戦で国歌斉唱をするサッカー日本代表【写真:Getty Images】



 日本代表は初戦のオランダ代表戦を2−2で引き分け、グループリーグ突破へ向けて上々のスタートを切った。次戦のチュニジア代表戦に勝利すれば、ラウンド32進出は大きく近づく。しかし、日本代表には過去のワールドカップ(W杯)で幾度となく苦しめられてきた“鬼門”がある。それがグループステージ第2戦だ。なぜ日本は、これまで結果を残せてこなかったのだろうか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]

歴代屈指のサポート体制

W杯初戦前調整 日本代表 南野拓実
メンターとしてチームに帯同している南野拓実【写真:元川悦子】


 彼らが萎縮しないように、谷口彰悟、鎌田大地、堂安律といったW杯経験のある選手たちが確実にフォローすること。それは必要不可欠な要素と言える。

 さらに、ベンチに百戦錬磨の長友がいて、ロッカールームにも吉田麻也、南野拓実といったベテラン勢がいるのも心強い材料だ。そのサポート体制は過去のチームでは考えられないほど手厚い。

 オランダ代表戦でW杯初出場だった、中村敬斗や佐野海舟が普段通りの力を発揮できたのも、彼らの助けが大きかっただろう。今回もその流れを維持し、W杯初参戦の面々が躍動できれば、悪い流れにはならないはず。そう信じたいところだ。

「2戦目が難しいとかそういうのはあんまり考えなくていいのかなと。ただただ歴代のチームが2戦目で勝っていないっていう、それだけの話だと思うんで」とも中村敬斗は話していたが、そのくらい開き直ったマインドの新世代がどんどん出てくれば、悪いジンクスは払拭できる。

 これまでのW杯における日本代表の戦いを見てきた人間ほど「2戦目は危ない」と考えがちだが、若い世代はそんな歴史を気に留めていない。

勝利の鍵を握るのは…

日本代表 ナッシュビル練習 塩貝健人
サッカー日本代表の塩貝健人【写真:元川悦子】


 DAZNで配信されたイングランド代表対クロアチア代表戦の解説を務めた松木玖生がゲーリー・リネカーを知らなかったことがSNS上で話題となった。

 それと同様に、2000年代生まれの選手たちは、2010年南アフリカ大会でオランダ代表のヴェスレイ・スナイデルの一撃を食らったり、2014年ブラジル大会で10人のギリシャ代表に守り切られた苦い記憶はほぼないだろう。

 そのくらいのタフなメンタリティがあれば、2戦目のジンクスは打ち破れる。ある意味、今回は若い世代の爆発がカギになりそうだ。

「自分たちが普通に戦えれば、勝てると思う」と伊東純也も話していたが、本当にその通りだ。

 森保監督も「自分たちの持っている力を出し切れ。ピッチ上で選択の場面が来た時に、消極ではなく積極を選べ」と常日頃から口癖のように言い続けているが、そういうポジティブを持ち続けていけば、必ず光明が見えてくる。

 焦れずに集中を切らすことなく90分間戦い、勝ち点3を得る日本代表の雄姿を日本中の人々が待ち望んでいるに違いない。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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