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「自分は何ができたんだろう」カタールW杯で味わった悔しさから3年半。日本代表、上田綺世が掴んだリベンジの舞台「何より自分が…」【北中米W杯コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Etsuko Motokawa,Shinya Tanaka,Getty Images
日本代表FW上田綺世
サッカー日本代表上田綺世【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループリーグ第2戦・チュニジア代表戦は、日本代表にとって勝ち点3が求められる重要な一戦だ。久保建英の負傷で攻撃陣の層が薄くなる中、より大きな責任を背負うことになるのが絶対的エース・上田綺世。カタールW杯で味わった悔しさを胸に成長を遂げたストライカーは、大舞台でゴールという結果を残せるだろうか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]

恩師が語るプレーの進化「ポストプレーは格段に…」

フェイエノールトFW上田綺世
オランダリーグで得点王に輝いた上田綺世【写真:Getty Images】


「『鹿島もサークル・ブルッヘもどちらかというとカウンター系のサッカーをしていて、FWの自分は背後を狙う仕事が多かったけど、フェイエノールトはボールを握るチーム。敵のDFを背負って壁になる仕事が多く求められるんで、それができるようになるまで時間がかかりました』と本人は言っていました。

 コーチに付き合ってもらってポジショニングを修正したり、相手の背負い方を工夫したりする作業に2年くらいかかったようですが、ポストプレーは格段にレベルアップしましたね」と話すのは、法政大学時代の長山一也監督(現FC.ISE-SHIMA監督)だ。

 それは主導権を握るスタイルを目指す第2次森保ジャパンにとっても必須テーマに他ならなかった。

 その課題を克服したことで、今の上田は自信を持って最前線でボールを収められるし、自らシュートに持ち込むこともできるようになった。

 守備を固めてくると予想されるチュニジア相手でも、しっかりと体を張って起点を作り、シャドーやサイドへと展開。クロスが入ってくるのを待ち、仕留めるといったプレーを体現できるに違いない。

 進境著しい上田が、本当の意味で「前回W杯の時とは別の選手」になろうと思うなら、ゴールという結果は必須だ。

「より得意な形で…」

日本代表 ナッシュビル練習 上田綺世
サッカー日本代表上田綺世【写真:元川悦子】


「FWは点を取ってチームを勝たせるのが仕事」と本人も口癖のように語っているが、それをこの難局でやり遂げてこそ、上田は前回W杯第2戦の屈辱を晴らすことができるのである。

「自分が得意としている得点の形はあると思いますし、クロスのゴールは今シーズンを見ても多いので、そこはいい感覚を持ってプレーできています。

 ただ、チームの状況とか流れもあるので、それ以外の局面も狙っています。半身でボールを触るのか、触らないのかとか、ディフェンスラインで自分とマッチアップしている選手との駆け引きとか、そういうところからシュートチャンスを作れる感覚もあるし、より得意な形でボールを受けられるようにすることを考えています」

 細部にこだわりを持ち、そこを突き詰め、周りとの連携を研ぎ澄ませてきた背番号「18」ならば、必ずW杯の大舞台でゴールネットを揺らせるはず。

 日本代表のチュニジア戦の成否は上田綺世というトップストライカーの一挙手一投足にかかっていると言っても過言ではない。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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