
北中米W杯で起きた事件簿5選【写真:Getty Images】
日本時間6月12日に開幕した2026 FIFAワールドカップは、スペイン代表の優勝で幕を下ろした。激闘が繰り広げられた1カ月を振り返ってみると、これほど様々な出来事が発生したW杯は過去になかったのではないだろうか。今回は、北中米W杯に関連した“事件”を5つ紹介する。[1/5ページ]
バログンの出場停止取り消し

アメリカ代表【写真:Getty Images】
対象者:フォラリン・バログン(アメリカ合衆国代表)、ドナルド・トランプ大統領、ジャンニ・インファンティーノ会長
【レッドカードになったのになぜ?】
通称“バログン事件”は、2026 FIFAワールドカップのみならずW杯史に残る最大級の問題として人々に記憶されるだろう。
政治によってスポーツの決定が歪められるというあってはならないことが起きてしまったからだ。
日本時間7月2日に行われたラウンド32、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦で、フォラリン・バログンは相手の足を踏みつけた行為でレッドカードを受けた。同試合を2-0で制したものの、アメリカ合衆国代表からすればラウンド16でエースを起用できない緊急事態に陥ってしまった。
しかも相手は強敵のベルギー代表。開催国の苦戦は必至――。多くの人がそう思っていたはずだ。
しかし、ここで突如として現れたのがドナルド・トランプ大統領だった。
【まさかの執行猶予】
アメリカ合衆国のトップは国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノに電話。不当な判定の見直しを求めたのだ。
本来は政治的中立性の義務を負っているはずだが、後にFIFAはバログンに対する出場停止の12カ月間猶予を決定。バログンはベルギー代表戦に出場できるようになった。
この政治介入を疑われても仕方がない決定プロセスは、当然多くの批判を招いてしまう。バログンとアメリカ合衆国代表は完全に“ヒール役”となり、世界中のサッカーファンがベルギー代表を応援。開催国チームは成す術なく1-4で敗れた。
サッカーファンの憎悪を向けられたバログンも“被害者”の1人であり、敗退後には「大きな論争を巻き起こすだろうと分かっていたし、チームメイトも少し緊張している様子が見て取れた。それほど異例な事態だったからね」と、トランプ大統領の介入がマイナスに作用したことを暗に認めている(アメリカ合衆国メディア『CBS』)。