
FC東京の石原広教【写真:Getty Images】
浦和レッズで主力を担っていた石原広教が今夏、FC東京への移籍を決断した。待っているのは、室屋成や長友佑都ら実力者が揃う、熾烈なポジション争いだ。決して出場機会が約束された環境ではない。それでも石原は、あえて厳しい競争の中に身を置くことを選んだ。新たな刺激を求め、さらなる成長を目指す27歳は、FC東京の悲願であるJ1制覇を目指す戦いの中で何を示そうとしているのか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
【2026/27明治安田J1リーグ第1節】
2026年8月8日 FC東京 1-5 FC町田ゼルビア(味の素スタジアム)
「優勝するために何をすべきか…」
FC東京の石原広教【写真:Getty Images】
それが複数失点につながり、結果的に1−5の大敗となってしまったのは、非常に悔やまれるところ。
再びFC東京の一員となった長友が「自分は東京を優勝させるといって戻ってきたのに果たせていない。このチームでシャーレを掲げたい」と意気込んだ当日の完敗ということで、サポーターのショックも大きかったはずだが、石原にとっては新天地での重要な一歩となったのは事実だ。
「これだけ失点してしまって、チームとしてよくない結果になってしまったので、個人がどうとかじゃない。しっかりチームで優勝するために何をすべきかに目を向けないと。
みんなで前を向いてやっていける雰囲気を作ることが自分の仕事でもあると思うんで、そこからやっていきたいですね」と背番号22はチームの勝利に貢献できる存在になっていくことを改めて誓った。
これだけ多様なSB陣がひしめくFC東京で、石原が研ぎ澄ませていくべき点というのは一体、何なのか…。左右のSB・WBを柔軟にこなせるストロングポイントをブラッシュアップすることが、まず1つだろう。
まず一つ、夢への扉を開いた。ただし、ここで満足するつもりはない。
「聞ける話は全部聞いていきたい」
FD東京都の契約を更新した長友佑都【写真:三原充史】
「自分はここでは何でもやらなきゃいけないですね。左をしっかりやれることを見せるのが第一歩。もちろん右もチャンスが来ると思うんで、その時に自分の個性、やれることを出すことですね。
例えば(室屋)成君だったら、すごく点が取れる選手。ポジショニングが全然違うし、ゴールが取れるポジションを取っている。そこは見習うところですし、自分もそうなれるようにしっかり吸収していきたいです。
長友さんはとんでもない経験値を持っている選手。少し話をさせてもらいましたけど、去年もユニフォームを交換してもらったりしている憧れの選手です。そういう人と一緒にやれる機会はめったにない。学べるものはすごく多いし、聞ける話は全部聞いていきたいと思っています」
まさにチャレンジャーとして新たな一歩を踏み出した石原。この移籍が自身の殻を破ることにつながれば理想的だ。石原のような雑草魂を押し出す選手がFC東京には少ない印象もあるだけに、彼のハングリーさやガツガツ感がいい意味でプラスに働けば、チームとしても一段階、飛躍できるのではないか。
いずれにせよ、町田戦の大敗から這い上がるところからが全て。15日の次戦・ヴィッセル神戸戦で左SBに陣取っているのは石原か、それとも長友、佳史扶か…。熾烈な競争の行方が気になる。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
【順位表】明治安田J1リーグ2026/27
【一覧】J1リーグ2026/27 試合日程・結果・放送・配信予定
「ファウルではないものに笛は吹かない」。Jリーグが目指すコンタクトプレーの基準とは
【了】
