
清水エスパルスの嶋本悠大【写真:Getty Images】
清水エスパルスは8月8日、2026/27明治安田J1リーグ開幕節で名古屋グランパスを0-1で下した。右インサイドハーフで先発フル出場した嶋本悠大は、明治安田J1百年構想リーグで主戦場とした左インサイドハーフとは異なる役割を求められている。U-21日本代表にも選出された19歳は、開幕スタメンを掴むまでに何を学び、どんな課題と向き合ってきたのか。(取材・文:榊原拓海)[2/2ページ]
【2026/27明治安田J1リーグ第1節】
2026年8月8日 名古屋グランパス 0-1 清水エスパルス
(豊田スタジアム)
「守備も守備で楽しいです」。19歳が広げ始めた新たな可能性

アジア競技大会を戦うU-21日本代表に選出されている嶋本悠大。さらなるブレイクが期待されている【写真:榊原拓海】
「非常にポテンシャルの高い選手です。ボランチよりもトップ下の方が活きてくる選手でもあるのですが、キャンプのときからチーム状況も考えて、エラーが出るのも分かった上で、意図的にAチームのボランチで使っていました。何度も修正して、しつこく求めて、ここまで持ってきました。
これに関しては彼の向上心と能力によるものです。ただし、ここからもっと成長する選手です。今でもキャンプから十分成長しているので、今後もさらに期待したいと思います」
繰り返すが、まだまだ伸ばさなければならない箇所は多い。嶋本自身も、「禅斗くんみたいに、個で刈り取れるシーンをもっともっと増やしていきたい」と話すなど、自らの理想はもっと高い場所に置いている。
自身が参考にしたのは、宇野だけではない。開幕までになんとか負傷から回復し、75分から途中出場した小泉のプレーにも、大きな刺激を受けていた。
「(プレーしたのは)数分でしたけど、素直にJ1で戦ってきたすごい選手だと思いました。慶くんに負けないようにしたいと、改めて思いました」
こうして、身近にいる先輩たちから刺激を受けながら、嶋本は右IHという新たなポジションで成長を続けている。チームがここからさらに飛躍しなければならないのと同様に、彼自身も挑戦の最中にある。
今年9月から10月にかけては第20回アジア競技大会が控えており、同大会を戦うU-21日本代表にも選出された。
「代表から帰ってきたらスタメンを取られている状況にならないように、行くまでの期間に、もっと自分の良さを出せるようにしたい」と、チーム離脱前にアピールしなければならない状況でもある。
彼自身が持つポテンシャルを考慮すると、“完成形”がこんなものではないことは、誰もが知っているはず。これまで、取材の際には攻撃のことばかりを口にしていたが、「守備も守備で楽しいです」と話しており、素直に今の挑戦を前向きに捉えている。
まだ、嶋本の右IHは完成していない。だからこそ、今後に向けたワクワクを抱かざるを得ない。攻撃面に何よりも自信を持つ19歳が、守備という新たな武器を身につけながら、自分自身の可能性を広げようとしているのだから。
開幕戦の先発は、嶋本悠大にとってゴールではなく、新たなスタートだ。さらなる武器を携えた先には、彼自身が目標と語るA代表、そして世界が待っている。
(取材・文:榊原拓海)
【著者プロフィール:榊原拓海(さかきばら・たくみ)】
1996年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒。学生時代よりWEBメディアの編集業務にアルバイトとして携わり、2024年よりフリーランスとして活動。現在はサッカー専門新聞『エルゴラッソ』にて清水エスパルスを担当。同メディアを中心に、さまざまな媒体に寄稿している。
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