
早くJ1で見たい!J2で注目を集める監督たち【写真:Getty Images】
2026/27シーズンの明治安田J2リーグは開幕からまだ数節だが、J1昇格を懸けた長丁場の戦いがすでに進行中。指揮官の采配ひとつでチームの状況は大きく変わり、一挙手一投足が勝敗を分ける。本稿では、J2で戦うチームに著しい成果をもたらす指揮官を5名紹介する。[3/5ページ]
ナルシス・ペラッチ・ナダル

RB大宮アルディージャのナルシス・ペラッチ・ナダル監督【写真:Getty Images】
生年月日:1988年9月5日
所属クラブ:RB大宮アルディージャ
2026/27シーズンJ2リーグ成績:3勝1分け
【27歳で現役引退】
ペラッチことナルシス・ペラッチ・ナダルは、スペイン・ジローナ出身の1988年生まれ。27歳で現役を退き、早くから指導者としての道を選んだ。
自身も選手時代にプレーしたUEフィゲレスの監督を経験した後、ジローナFCのBチームを率い、2019年からはフアン・カルロス・ウンスエのもとでトップチームのアシスタントコーチを務めた。
2020年にハダースフィールド・タウンへ渡ると、カルロス・コルベラン(現・バレンシア監督)をはじめ複数の監督のスタッフとして3年間を過ごし、2022年9月と2023年2月には暫定監督も経験した。
2023年5月からはノリッジ・シティでアシスタントコーチを務め、2023/24シーズンにはチャンピオンシップの昇格プレーオフ進出に貢献した。2024年9月にはストーク・シティの監督に3年契約で就任したが、19試合で3勝にとどまり、同年12月に解任された。
短い期間ではあったが、この約3か月の間に同氏が見せたサッカーはコルベランのスタイルに近かった。マルセロ・ビエルサ直系のハードワークとコンパクトな守備、ボール奪取ポイントの明確化など共通点を多く見出せる。
その後、ペラッチは2025年1月にウェストハム・ユナイテッドでグレアム・ポッターのスタッフに加わった。公式上の職位はアシスタントコーチであり、本人は攻守のコーナーキック(CK)、ワイドフリーキック(FK)、スローインを含むセットプレーを主に担当したと説明している。(参照:ウェストハムの公式インタビュー)

J1昇格を狙うRB大宮アルディージャ【写真:Getty Images】
【第3節で見えたキャリアの集大成】
そして2026/27シーズンより、RB大宮アルディージャの指揮官に就任した。就任に際してペラッチは、「レッドブルには明確なプレースタイルがあり、私自身もその考えに強く共感している」と語った。さらに、「アグレッシブで強度が高く、常に前進を目指すフットボール」を追求すると明言している。(参照:RB大宮アルディージャ公式サイト)
2026/27シーズンの開幕から、その理念は結果にも表れている。J2リーグ第1節のアルビレックス新潟戦では、5分にGKのトム・グローバー、カプリーニを経由した速い攻撃から山本桜大が決勝点を挙げ、大宮が1-0で勝利した。
自陣から少ないパス本数で一気に駆け上がり、相手ゴールに迫る。ビルドアップも仕込めており、後方から繰り出されるロングフィードは再三チャンスを創出している。チームとしての戦い方が結果として分かりやすく結実したのが、4-1で勝利した第3節・北海道コンサドーレ札幌戦だろう。
相手のビルドアップを加藤玄が潰したことで生まれた1点目、デザインされたセットプレーから奪った2点目、ニュートラルな状況から相手最終ラインの裏を突いた3点目、そしてパスワークから広いスペースを攪拌した4点目。まるでペラッチのキャリアの総集編のようなゲーム展開だった。
この結果、第4節終了時点で、大宮は3勝1分けの勝点「10」、得失点差+5で首位に立つ。攻守にオプションが多く、完成度も高い。アンカーの加藤を欠くと窮地に陥りそうだが、大概は大崩れしないように見える。
このまま圧倒的な成績で優勝を果たしても、それほど驚きはない。