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「僕自身とは真逆」神谷優太がファジアーノ岡山で見つけた答え。守備に適応しながら「自分の特徴を消さない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images
ファジアーノ岡山 神谷優太
ファジアーノ岡山 神谷優太【写真:Getty Images】


 攻撃センスを武器にしてきた神谷優太にとって、守備をベースとするファジアーノ岡山は「自分自身とは真逆」のサッカースタイルだった。それでも加入3年目を迎え、チームの要求に適応しながら、自らの特徴を活かす術を模索してきた。浦和レッズ戦では途中出場から冷静にチームへ声を掛け、勝利に貢献。岡山で新たな役割を担う29歳は、いま何を見つめているのか。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

【2026/27明治安田J1リーグ第7節】
2026年9月13日 浦和レッズ 1-2 ファジアーノ岡山
(埼玉スタジアム2002)

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「やるべきことは明確」神谷優太に求められる役割

ファジアーノ岡山

リーグ3連勝で6位に浮上したファジアーノ岡山【写真:Getty Images】


 J1初挑戦だった2025年シーズンは13位、2026年のJ1百年構想リーグでも最終順位11位と健闘を見せているファジアーノ岡山。

 木山隆之監督体制も5年目に突入し、手堅い守備というベースが確立され、チーム全体の成熟度も高まっている印象だ。

 とはいえ、J1昇格2年目というのは1つの難所。これまでにもJ2降格の危機に瀕してきたチームは少なくない。

 そういう展開に陥らないためにも、常に自分たちの土台である堅守とハードワークを貫き、しぶとく、粘り強く戦う必要があるのだ。

 9月13日の第7節・浦和レッズ戦でも、彼らは自分たちのストロングを強く押し出した。

 この日は18分にリスタートの流れから大森博が巧みなヒールシュートで先制。幸先のいいスタートを切ったかと思われたが、27分に浦和の南野遥海に同点弾を浴び、1-1で前半を折り返すことになった。

「正直、内容的にはあまりよくなかったですし、失点してから相手ペースにもなった。そこで連続失点せずに、しっかり体を張って守る部分がチームとしてできたのが大きかった」とキャプテン・江坂任も前向きに発言。チームは気持ちを切り替え、後半に勝負を賭けた。

 そこで木山監督が講じた一手は、56分のシャドーの2枚替えだ。キャプテン・江坂と前節・サンフレッチェ広島戦でハットトリックを達成した河野孝汰をいち早く下げ、ナ・サンホと神谷優太を投入するというのは、思い切った策のようにも映った。

「自分はいつも途中から出ていることが多いんですけど、やるべきことは明確ですし、監督から任されたことは必ずやらないといけないと思っているので、その中で違いを見せられたらと考えて、ピッチに立ちました」と神谷はコメントする。

 彼の言う「必ずやらないといけないこと」というのは、もちろん守備だ。

「僕自身とは真逆」神谷優太がファジアーノ岡山で模索する答え

ファジアーノ岡山 神谷優太

ファジアーノ岡山 神谷優太【写真:Getty Images】


「岡山というチームは守備からだと思うので、そこが絶対に欠かせないところ。この時代、守備は常に求められていることだと思うので、僕自身とは真逆のサッカースタイルだと思いますけど(笑)、そこに順応していかないといけなかった。

 岡山に来て3年目ですけど、チームのカラーの中で自分の特徴を消さないことを大事にしながらやっています」と神谷はしみじみと語る。

 実際、彼は東京ヴェルディユースの頃からテクニシャンとして名を馳せた選手だった。青森山田高校を経て、湘南ベルマーレ、愛媛FC、柏レイソル、清水エスパルス、江原FCを渡り歩いてきたが、どの環境でも攻撃センスを買われ、頼りにされてきた。

 2024年に岡山に赴いてからは、堅守というチームのベースをしっかりと頭に入れつつ、木山監督の求める基準を追い求めた。

 攻守のバランスを取る難しさや葛藤もあっただろうが、彼なりに最適解を見出そうとしたのだろう。

 そうした中、今季はボランチではなく、シャドーで起用されるケースが増加。本来のプレースタイルに近い仕事ができるようになった。それが9月2日のジェフユナイテッド千葉戦での決勝弾にもつながったのではないか。

「今季は一列前で出るようになってタスクが変わったので、ゴール、より結果につながるプレーというのをすごく意識しています」と本人も前向きに言う。

 特に神谷が輝いたのは、リスタートのシーンだった。後半の岡山はCKやFKが多くなり、名手のキックがたびたびチャンスになっていた。

 後半のシュート数は浦和の4本に対し、岡山は10本。彼とともに入ったナ・サンホ、その後に入ってきたレオ・ガウショも攻撃のギアアップに一役買っていた。

「慌てることなく平常心でいられた。それがプラスに働いた」

ファジアーノ岡山 神谷優太
ファジアーノ岡山 神谷優太【写真:Getty Images】


 ただ、1-1のまま試合は終盤へ突入。レフェリーの無線機の不具合で6分間の中断というアクシデントが起きた。さらに後半アディショナルタイムには宮本英治が脳震盪を起こして退場。またも試合が止まることになった。

 こういった空白の時間が生じると、ピッチ上の選手たちは集中力を保つのが難しくなりがちだ。

 すでに藤田息吹、江坂、白井康介といった30代選手たちがベンチに下がっていたこともあり、経験豊富な神谷は冷静に声を出し続けたという。

「ああいう状況では集中しないといけないとみんながわかっていた。それはすごく良かったし、僕自身も慌てることなく平常心でいられた。それがプラスに働いたと思います」

 背番号33が力を込めるように、この時間帯のゲームコントロールが明暗を分けることになる。

 後半アディショナルタイムが11分を過ぎたとき、岡山はクリアボールを拾った立田悠悟が左の大外からクロス性のボールを中に入れる。これが相手GK福井光輝のミスを誘って、決勝点を奪取。辛くも2-1で勝利し、3連勝で6位浮上という大躍進を見せたのである。

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