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「そういう意識を取っ払って」柏レイソル・渡井理己が常に考えていたこと。「とにかく自分が勝負を決める」

text by 編集部 photo by Getty Images

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柏レイソルMF渡井理己
【写真:Getty Images】

「フィニッシュの場面にどう関わるか」

 2025YBCルヴァンカップ・プレーオフラウンド第1戦、柏レイソルはアウェイで東京ヴェルディと対戦し、0-3で快勝した。60分から途中出場した渡井理己は0-1で迎えた62分、左サイドでボールを持つと、狙い澄ましたクロスを供給。久保藤次郎の追加点をアシストし、柏の勝利を決定づける一手となった。

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「個人的にも点を取りたかったし、その意識が出ていたと思う。今日の試合はビルドアップもよく回っていたので、フィニッシュの場面にどう関わるかを常に考えていた」

 ヴェルディが攻勢をかけようという展開になろうかというところで、渡井が流れを再び柏に引き戻した。アシストシーン以外でも、裏を狙うランニング、ポケットを取る動きなど、フィニッシュに直結するアクションを繰り返し、ゴールへの意識を強く押し出していた。自身でも得点を狙っていたと明かす。

「そういう意識を取っ払って、今日はとにかく自分が勝負を決めるという意識でプレーしていた」

 これまでは「個人的には確率の高いプレーを選びがちで、自分で行けるところでパスを出すときもあった」と言う。ただ、この日は違った。もちろん、「追加点を取りに行くっていうのをチーム全体として意識していた」。チームの狙いに沿った上で、積極的に危険なエリアに顔を出し続けた。

 ここまで明治安田J1リーグでは4位と好位置につける柏だが、序盤戦は得点力を発揮できていたとは言い難い。ただ、シーズンが進むにつれて得点ペースは増加。1-1の引き分けに終わった4月11日のFC東京戦では「クロスに対しての入り方への全体的なイメージが足りない」と渡井は話していたが、このヴェルディ戦では3得点すべてがクロスから生まれている。

 ゴールへ向かう意識の強さは、この試合に限ったことではない。第12節のアルビレックス新潟戦のゴール、第16節のファジアーノ岡山戦のアシストやジエゴのファウルにより幻となったゴールを見ても、決定的なシーンは増えている。

 それでも、「もっと点が取れる場面もある。前線でプレーする以上、点を取りたい気持ちは強い」とさらなる貢献に意欲を見せる。味方と相手のポジションを見ながらボールと繋がり続けることができるのは渡井の武器だ。さらに、ゴールへつながるシーンがさらに増えていけば、相手にとってより脅威な存在になるだろう。

(取材・文:加藤健一)

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