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長友佑都 11年前

「3-5-1-1」でカターニアと戦ったインテル。「4バック」と語る長友はフォーメーションを誤解していたのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

長友がすぐに信頼を勝ち取れたワケ

 4バックのSBは、夏の練習試合でも試されていた。ストラマッチョーニ監督には攻撃面が評価され、本来サイドハーフとして補強されたはずのペレイラよりも前で起用されたこともあった。

 だがマッツァーリ監督はSBとして献身的にスペースを埋める長友本来のプレースタイルにも留め、戦術の中で活かしているのである。

 そしてカターニア戦では、持ち味の運動量も戻ってきた印象も受けた。試合後長友は「ケガをしてからコンディションがなかなか上がらなかった」と告白したが、この日見せた圧倒的な攻め上がりは、5月の復帰後、確かに影を潜めていたものだった。

 ともに実績を築いてきたポンドレッリ・フィジカルコーチの助力のもと、マッツァーリ監督は走力と心肺機能の強化にも力を入れる。その中で長友も、コンディションの回復に手応えを得ている。

「後半の攻め上がりは交代出場のタイデールがカバーしてくれたからか」と長友に質問したが、彼はきっぱりと否定していた。コンディションに自信を持ち、バテてくる相手を後半で追い込もうと戦略的に考えていたからこそ、攻め上がったのである。

 守備だけ、あるいは攻撃だけを取るなら、もっと上手い選手はいくらでもいるかもしれない。しかしその両方を精力的にこなせる選手はなかなかいない。これまでマッツァーリが好んで使い、理想とするアウトサイドは、攻守両面で動ける選手。

 だからこそ長友は、すぐに信頼を勝ち得ることが出来たのだろう。選手の持ち味を活かしつつ、新たな長所を開拓する優秀な指導者のもとで、長友は今シーズンさらなる飛躍を遂げそうだ。

【了】

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