指揮官が10点中9点をつけたW杯予選
オランダ代表はユーロ2012でグループリーグ3連敗という失態を演じた上、代表選手の高齢化という負の遺産もあった。今予選ではルーマニア、トルコ、ハンガリーという曲者ぞろいと組んだだけに、オランダ代表が苦労することも予想されたが、終わってみれば9勝1分けという文句なしの成績で欧州予選突破を果たした。
しかも締めくくりの2試合は完璧と呼べるもの。アムステルダム・アレーナでは攻撃力が爆発し、ハンガリーを8-1で圧倒。難関で知られるトルコとのアウェーマッチも2-0でしっかり勝った。
チームの若返りと結果を両立させたルイ・ファン・ハール監督が「今回の予選は10点満点で9。満点をつけなかったのはエストニアと引き分けたから」と高評価したのも納得の強さだった。
オランダの強さの秘密は、常に選手たちがフィットした状態を保っていること。ファン・ハール監督は過酷な移動と天候が予想されるブラジルW杯を見越し、欧州予選からコンディショニングをテーマにチームビルディングに取りかかった。
スカウティング陣は常にオランダ人選手の体の状態、プレイの善し悪しをチェックし続け、招集メンバーをどんどん入れ替えていった。今予選で起用されたGKは実に5人に上る。
ファン・ハール監督は「確実にW杯に行けるのはファン・ペルシ、ロッベン、ストロートマンの3人だけ」と言う。スナイダー、ファン・デル・ファールトといったかつての主力も、今は所属先クラブでしっかり結果を出し、さらにコンディショニングを保ってないと、オランダ代表での居場所がない。