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Jリーグ 9年前

彼らが叫ぶ“WE”とは? “サンフレッズ”は地域アイデンティティーの破滅を意味するのか

またしもサンフレッチェ広島から浦和レッズへ。石原直樹の移籍が決定的となっている。浦和のラインナップを見れば、そのほとんどがかつてライバルチームでプレーしていた選手だ。地域密着を掲げるJクラブにおいてアイデンティティーの破滅を意味するのだろうか。

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images , dan orlowitz

計7名に達する広島からの補強

彼らが叫ぶ“WE”とは? “サンフレッズ”は地域アイデンティティーの破滅を意味するのか
石原直樹が来季、浦和レッズに加入すると囁かれている【写真:Getty Images】

 石原直樹が来季、浦和レッズに加入すると囁かれている。キャリア全盛の時期ではないが、好パフォーマンスを継続し、現在の浦和が必要とする安定型タイプの素晴らしい選手である。

 彼らにとってもポジティブな移籍になるかもしれない。高額な年俸を手にし、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)などの国際舞台や熱狂的なサポーターで埋め尽くされたスタジアムでプレーできるからだ。

 また、東京近郊にあるクラブへの移籍は、引退後もキャリアを構築できる機会に恵まれ、彼らの代理人もより高い報酬や幅広いネットワークを手にすることができる。プロフェッショナルな観点から見れば、誰もが納得する判断と言えるであろう。

 それでもやはり、フットボールは論理的でビジネスライクな要素だけでなく、アイデンティティーやカルチャーが関連する影響を抜きにしては語れない。

 過去5シーズンで広島から浦和へ移籍する選手は石原が6人目となり、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督を含めると計7名になる。

 すなわち、浦和は来季フィールドプレーヤーの11人中6人を元広島の選手たちで構成することができる。

GK西川周作
DF森脇良太
DF槙野智章
MF柏木陽介
MF石原直樹
FW李忠成

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