「バークリーは10番のポジションである」
フィル・ジョーンズのテストもそれと同じ方向性のものだったと思われる。彼もイタリアのリズムを崩すことが期待された選手だ。とはいえ、その前半のメンバーに何が欠けていたかは明白だった。
後半には、マイケル・キャリックがピッチに立ったことが非常に大きかった。これまでに何度も述べたように、マイケルは優れた守備的MFのように相手のプレーを潰すことができるが、同時に良いパスを供給することもできる選手だ。いつも正しい場所にいてくれる。それに加えて、バークリーがチームに欠けていた攻撃の創造性をもたらした。
前半終了前には、イタリアはダイヤモンド型の中盤に対して3-5-2でどのように戦うべきかを正確に実行し、サイドのエリアにスペースを見つけてイングランドのサイドバックを押し込んでいた。イングランドにとっては、実験がうまく機能しなかった。そういうことはあるものだ。ロイ・ホジソンはハーフタイム直前と後半にそこを修正し、チームはそれで改善された。
イングランドは、2人のストライカーの後ろに位置するダイヤモンドの頂点にクオリティの高いプレーを必要としている。過去にはラヒーム・スターリングがそこでプレーし、イタリア戦ではウェイン・ルーニーにその役割が求められたが、私としてはこの2人はストライカーだと思う。バークリーが自分のものにできるのは、まさにこの10番のポジションだ。だが、彼はそれだけの力を見せ付けなければならない。
ポテンシャルを秘めた若者から、トップチームの主軸の一人であるコンスタントなレギュラー選手へと移り変わる瞬間は、若い選手たちにとって難しいものだ。そもそもチャンスを得られない選手も多いし、得られたとしてもほんの短い時間ということもある。例えばマンチェスター・ユナイテッドでは、FWのジェームズ・ウィルソンに今季何度かのチャンスが与えられた。彼はよくやってはいるが、ルイス・ファン・ハールにとって外せない選手にまでなれたわけではない。