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香川真司 9年前

欠けていた判断力。異論なき香川への低評価。自ら口にする「シュートへの意識」を取り戻せるか

text by 本田千尋 photo by Getty Images

自らの課題について自覚もしている香川

 ルール・ナッハリヒテン紙は、香川を「4」としたことについて、寸評では、40分のビッグチャンスでシュートに至らなかったこと、ゲームメーカーとしてのクオリティを長い時間隠したこと、判断力に欠けてアクションが度々遅いことを理由として挙げている。

 ビルト紙は、香川の採点を「4」としたことについて、寸評のようなものはないが、理由は概ねルール・ナッハリヒテンと似通ったようなものだろう。そしてこの「4」という採点については、誰もが異論はないのではないだろうか。

 ルール・ナッハリヒテンが指摘した「判断力」については、試合後に香川本人も「判断」という言葉を用いながら、「シュートへの意識は課題」と口にしている。40分、ブワシュチコフスキの右からの折り返しに、エリア内で香川はワントラップで抜け出して、GKとの1対1の局面を迎える。ここで香川はシュートではなく、さらに中への折り返しを選択した。

 この場面について、香川は次のように述べている。

「感覚的には良かったですし、ああいうところの精度はやっぱり、高めないといけないですけど、クーバとの連係は凄く良かったと思っています」

 香川は「感覚的には良かった」と前置きしながらも、「精度を高めないといけない」と、課題を挙げた。

 要するに、依然として「シュートへの意識」も含めた局面での判断が課題であるということは、香川も自覚しているところで、逆に言えば、ルール・ナッハリヒテンの寸評も的を得ているということになるだろう。香川への採点「4」は、可もなく不可もなく的確ということだ。

 しかしルール・ナッハリヒテンのケールへの採点「2.5」については、異論は多いかもしれない。ケールの「豪快なシュート」がドルトムントを救ったことを考えれば、ビルト紙と同様に、最高の「1」でも良かったのではないだろうか。

【了】

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