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来る独杯決勝、主役はクロップ。ドルトムントを去る指揮官がドイツサッカー界にもたらした功績

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「若く、成功に飢え、よく走る選手を起用した」

 レーブが指揮を取ったドイツ代表に、08年の欧州選手権と10年のW杯南アフリカ大会ではドルトムントからの選出はなかった。

 しかし12年の欧州選手権にフンメルス、ギュンドアン、ゲッツェ、シュメルツァーが、14年のW杯ブラジル大会にバイデンフェラー、フンメルス、グロスクロイツ、ドゥルム、が選ばれることになる。既にバイエルンに移籍していたが、ゲッツェもブラジル大会に選出されている。

 若手を積極的に起用したクロップは11年にブンデスリーガを制覇すると、12年にはポカールとの2冠を達成する。2冠について「ドルトムントはこちらを熱狂させるサッカーを展開した」と述べたベッケンバウアーは、クロップのことを「成果の建築士」と形容した。そして13年、「成果の建築士」はBVBを再び CL決勝の舞台に導いている。

そしてレーブはクロップについて「ブンデスリーガとドイツサッカーの特徴的なイメージ」とも言う。現役時代にドルトムントに所属したメッツェルダーは「彼はブンデスリーガのサッカーに革命を起こした」と言葉を寄せている。

「若く、成功に飢え、よく走る選手を起用した指揮官としてユルゲン・クロップは模範だったね」

 メッツェルダーは、特に「ゲーゲンプレッシング」を「ドルトムントの特徴的なスタイル」とした。その「若く、成功に飢え、よく走る選手」によって実現されるプレッシング・スタイルは、ブンデスリーガ全体に影響を与えたと考えている。

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