「私は全ての選手を見ている。全ての選手にチャンスがある」

　目下、日本代表の最高齢選手は32歳の長谷部。近く復帰するであろう川島も33歳で大久保とほぼ年齢が変わらない。ハリルホジッチ体制発足後、間もなく選から漏れた今野泰幸（G大阪）も「ハリルさんの言う『ベテラン』が何歳からなのかよく分からないところがあるよね」と本音を漏らしたことがあった。そのあたりはもう少し明確にすべきかもしれない。

「私は全ての選手を見ている。全ての選手にチャンスがある」と平和的な物言いをするより、「これからは欧州組の主力を軸に、それ以外は20代のメンバー中心にやっていきます」とキッパリ言いきってしまった方がまだ潔い。代表経験のあるベテラン勢の不満も封印できる可能性もある。

　2002年日韓ワールドカップの日本代表を指揮したフィリップ・トルシエ監督などは「私は若い世代を重視している」とキッパリ言い切っていた。最終的に本番では中山雅志や秋田豊といったベテランを呼び戻すイレギュラーな試みもあったが、全体的なチーム作りの方向性はブレなかった。

　2次予選終盤戦、そして9月から始まる最終予選で大久保をどうするかという点はこの先も議論されるテーマだろう。もちろん彼自身の今季のパフォーマンス次第の部分もあるが、指揮官には国内組をどう扱うか、ベテランをどうするかについて、より明確なビジョンを提示してもらいたい。

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