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CLベスト8、2ndレグ。マンCとPSG、対峙する強欲なまでの野望。UAE対カタールの金満頂上対決

text by 今関飛駒 photo by Getty Images

難を抱える守備、ホームでの勝負弱さ…不安要素の多いシティ

シティ
シティはデ・ブライネのゴールなどで2つのアウェイゴールを手にしている【写真:Getty Images】

 ブックメーカー『ウィリアムヒル』では、1stレグ前のオッズがPSG:1.44倍、シティ:2.62倍だったが、試合後にはPSG:2.37倍、シティ:1.53倍と逆転している。1stレグの結果を受けてファンも心変わりしているのがわかる。

 PSGは、突破のために最低でも1得点を奪うことが絶対条件。0-0または1-1であればシティの突破が決まるため、PSGは3-3以上の引き分けでも突破となるが、現実的にアウェイでの勝利を目指してくるだろう。

 シティはできるだけ失点を抑え、ロースコアでの勝負を挑みたいところだが、守備にやや難を抱えている。今季のCLで完封できたのはベスト16・2ndレグのディナモ・キエフ戦だけであり、10試合で11失点を喫している。

 守備の支柱であるキャプテンのヴァンサン・コンパニの欠場が大きく響いており、1stレグでも不在の大きさを感じさせた。2ndレグでも欠場となるため、PSGの強力攻撃陣をエリアキム・マンガラとニコラス・オタメンディのセンターバックコンビが抑えられるかどうかは勝負を分けるポイントとなりそうだ。

 また、シティはホームでの勝負弱さも目立つ。今季のリーグ戦ではホームで5敗を喫しており、アウェイでの4敗よりも多い。ホームでの敗戦はウェストハム、リバプール、レスター、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドといった上位陣や強豪チームとの対戦であり、グループステージではユベントスにも敗れている。力の拮抗した相手に競り負けることが多く、ホームといえども慎重な試合運びを心掛けたい。

 直前のリーグ戦ではウェストブロムウィッチ戦で2-1の辛勝。接戦だっただけに、主力選手の多くを起用せざるを得ない状況だった。エースのセルヒオ・アグエロは後半アディショナルタイムまでプレーし、ヘスス・ナバス、フェルナンドといった選手はフル出場となった。

 ただし、1stレグを欠場していたヤヤ・トゥーレは30分出場して試運転は完了。今季で退団濃厚といわれているが、攻撃に厚みを持たせることができる大黒柱の復活がチームに与える影響は小さくはないはずだ。

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