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日本代表 8年前

清武がハリルJの新司令塔へ。スペインで磨かれた感覚、本田・香川を操る柔軟性

text by 元川悦子 photo by Getty Images

山口も太鼓判。清武が持つ「いい感覚」

「開幕から試合に出させてもらっている。すごい嬉しいこと。自分の調子がいい分、そのまま流れを持っていきたい。予選のプレッシャーもないですし、すごく楽しみ」と過去にないほどどっしりと構えている。

 長年の盟友・山口蛍(C大阪)が「キヨ君はドイツよりスペインの方がすごい合っている。ドイツとは違って後ろからしっかりボールをつないでいくし、いい位置でサポートも多いから、すごくワンタッチ2タッチとかでシンプルにできている。

 技術が日本でも一番高い選手やから、それが活かされていますよね」と序盤戦のパフォーマンスに太鼓判を押したように、清武はセビージャの感覚をそのまま日本代表に持ち込める状態になった。それは本人も認めているところだ。

「(セビージャのホルヘ・)サンパオリ(監督)はハリルさんと似ている部分がある。走ることやデュエルは2人とも一緒。それにセビージャの選手はみんなボール持てますし、代表の選手もみんなボールを持てるので、感覚は似ていると思います。

 今日久しぶりに代表で練習しましたけど、はたくことだったり、走ってもらうことだったりは、今までとはちょっと違う感覚を持ちました」と彼は前向きにコメントしていた。

 鋭い感性に磨きをかけている今だからこそ、代表3枚看板との連携もよりスムーズになる。清武が2列目に陣取れば、本田と香川も柔軟にポジションを入れ替えながら役割を変化させられる。

 清武がゲームメークに回って本田や香川がフィニッシャーとして前線に飛び出して行ったり、逆に本田と香川のコンビから清武のゴールをお膳立てすることも可能だろう。もちろん岡崎の得点を演出することもできる。

 清武はこういった柔軟性や臨機応変さを新たな活躍の場・セビージャで毎回のように示しているのだ。今までの代表の“主力”を操る力を備えたと言える。

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