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日本代表 8年前

【識者の眼】ハリルJより平均5cm超。セットプレーで脅威となる“オージーの巨人たち”。パターンはあるが…

text by 河治良幸 photo by Getty Images

明確なディスアドバンテージ。5cmが大きな差に

 世界を見渡しても、このクラスに匹敵する国となるとベルギーやデンマークなどかなり限られる。またペナルティエリアの手前にはロギッチ(188cm)とクルーズ(179cm)がおり、変化や厚みを加えてくるから厄介だ。

 前節のサウジアラビア戦では左CKからセインズバリーがヘッドでゴールを決めたが、ミリガンがニアに走って潰れ、その手前でユリッチが2人と競る頭上をわずかに越えたボールを決めた形だった。

 高さだけでなく、その持ち味を生かす戦術を持つ相手のセットプレーを防ぐ確率を高めるために、ハリルホジッチ監督が選手起用で対策を講じてくるかどうかが注目だ。

 日本はイラク戦のメンバーだと吉田麻也(189cm)、森重真人(183cm)、酒井宏樹(185cm)、長谷部誠(177cm)、酒井高徳(176cm)、原口元気(177cm)が相手ターゲットのマーク役で、本田圭佑(182cm)は主にニアのストーンとして、ゴールマウスよりキッカー寄りの位置でクリアする役割を担う。

 イラク戦でもCKをヘッドでクリアする場面があった。オーストラリア戦は酒井宏樹が出定停止となるため、酒井高が右サイドバックに回り、左に太田宏介(179cm)か槙野智章(182cm)が入ると予想されるが、上背と空中戦の強さで槙野が優先される可能性は低くない。

 仮に槙野が加わったとしても、6人の平均身長は181.2cmでオーストラリアより5cm低い。ザックジャパンでは左右のサイドバックの主力が内田篤人(176cm)と長友佑都(170cm)だった。

 そのため、岡崎慎司(174cm)が6番目になることがあり、最終予選のヨルダン戦では前半アディショナルタイムに、岡崎がマークした相手とのミスマッチで敗れている。空中戦は必ずしも身長で決まるものではないのだが、セットプレーは流れの中よりターゲットとディフェンスのサイズの差が結果に反映されやすい。

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