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長友佑都 12年前

『世界一のサイドバック』へ 手応えを掴んだ長友佑都

text by 神尾光臣 photo by Kazuhito Yamada

長友欠き、4バックに変更するも機能せず

 ミリート、カッサーノ、そしてパラシオと、3トップはすべて起用する。そして肝心の左にペレイラの姿はなく、なんとアルバレス。

 攻撃的MFの彼にウイングバックはできるはずもなく、布陣は4バックだ。サネッティを右SBに下げ、3バックはそのまま左へスライドされる。左サイドはアルバレスが攻撃面を、ファン・ジェズスが守備面を担当し、普段WBが一人で担っていたタスクを分業した格好だ。

「私もペレイラで来るものとばかり思っていた」と敵将のデル・ネーリ監督も驚いていたが、この奇策は企画倒れに終わった。アルバレスにはミスが多く、左からパスを繋ごうとするとほとんど相手に引っかかり、挙句に故障で30分でベンチに下げられた。

 交代で入ったのは結局ペレイラ。最初からこうすれば良かったではないかという気もするが、ペレイラもペレイラでMFとしては絡みにくいことが露呈する。動きが直線的なのだ。

 カッサーノとのコンビネーションやドリブルでのカットインなど、攻撃面のプレイの選択肢は長友の方が多く持っていた印象だった。なるほど、いくらペレイラが左利きでも、前目の位置では長友が選択されるわけである。

 ちなみにラツィオ戦、そしてベローナ戦でペレイラと長友が同じサイドに並んでも、長友が前でペレイラが後ろという位置関係になっていた。

 日本では攻撃よりも守備が評価され、イタリアでは攻撃面で「クオリティに欠ける」と地元メディアから批判されていた長友は、いつのまにかサイドの切り崩し役として重要なピースに成長していたのである。

 その上、上下動を保証し、SBでは守備重視に切り替えられる戦術上の規律性はそのままなのだから、チームにとって非常に大きな存在となっているのは間違いない。

帰国後、「世界一のサイドバックになる道筋が見えた」と彼は語ったようだが、実際に本人も成長に手応えを得たということだ。

 なお試合は1-1のドローに終わり、インテルは3位に転落している。

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