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長友佑都 11年前

『世界一のサイドバック』へ 手応えを掴んだ長友佑都

インテル・ミラノに所属する長友は、負傷により年内最終節のベローナ戦を欠場した。ストラマッチョーニ監督は、大きく陣形を変えて長友の不在を埋めようとしたが、すでにその穴は簡単に埋まるようなものではなくなっていた。インテルにとって長友は既に重要なピースの一つであり、『世界一のサイドバック』という言葉も夢物語ではなくなってきている――。

text by 神尾光臣 photo by Kazuhito Yamada


インテルでの地位を不動のものにしつつある長友佑都【写真:山田一仁】

地元紙が絶賛する長友のパフォーマンス

 18日のコッパ・イタリア5回戦ベローナ戦に駆り出された長友は、もはや当たり前のように安定したサイドアタックを披露していたカッサーノの動きに呼応し、正確なクロスを放ち、ドリブル突破で2点目に繋がるFKも獲得。

 通常主力を温存が温存されがちなカップ戦でも、競争力を維持するために何人か重要なピースは残すもの。シーズン開幕時、その役目はサネッティやカンビアッソに任されていたが、この試合では長友にその役割が回ってきた。

 そして質の高いプレイを披露した彼に対し地元メディアは、「リーグ戦でもカップ戦でも変わらずに全力を出す、見事なプロフェッショナリズム(コリエレ・デッロ・スポルト)」と賞賛を送っていたのである。

 しかし、その試合で、長友が故障したのは残念だった。

 相手と接触してから悪くなったという覚えは特になかったようで「打撲なのかどうかはわからない」と語っていた。結局、左ふくらはぎの筋肉が故障。軽微とはいえ次節の出場は不可能となり、彼は一足先にクリスマス休暇へ送り出された。

 こうなれば逆に、ジェノア戦でインテルがどう戦うのかが興味深い。競争相手であるペレイラをアウトサイドに起用するのか、その場合3バックか4バックか。長友の不在がどう補われるかで、普段彼がどう評価されているかが分かるというのものである。

 ただストラマッチョーニ監督の決断は、その斜め上を行くものだった。

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