検証・移籍ルール変更後のJリーグ ~Jクラブは直面する現実にどう対処すべきか?~(後編)

FIFAルール採用でそれまでローカルルールとして存在していた国内の移籍保償金が撤廃されてから1年余り。相次ぐ0円移籍など、その影響は如実に現れている。Jリーグのクラブや選手は直面する問題をどのように解決するべきか?鹿島アントラーズの鈴木満強化部長、ヴァンフォーレ甲府の佐久間悟GM、日本サッカー協会認定選手エージェントの田邊伸明氏に話を聞き、これからの移籍のあるべき姿を考察する。

2013年01月17日(Thu)11時11分配信

text by 小澤一郎 photo Ryota Harada
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【前編はこちらから】 | 【サッカー批評issue50】掲載

岡崎の一件から見える本質的な問題


シュツットガルトで活躍を続ける岡崎慎司【写真:原田亮太】

 この流れに沿って今オフに大きく取り沙汰された岡崎問題を考えたい。FIFAは暫定裁定とはいえ岡崎慎司のシュトゥットガルトでのプレー(=ドイツでの登録)を認めたが、FIFAルールにおけるシーズンの定義というのは、例えばJリーグであれば最初の公式戦日から最終の公式試合日まで。『JFAプロサッカー選手の契約、登録および移籍に関する規則』でもシーズン定義はそう明記されている。

 清水は、岡崎との契約が1月31日まであったとして、シュトゥットガルトとの二重契約を訴えているが、FIFAルールの観点からすれば清水が岡崎との契約を延長できずに昨シーズン終了を迎えている時点で打つ手がなくなっているということ。また、日本では多くの選手が岡崎同様に1月31日までの契約を結んでいるが、移籍した選手というのは1月中に新チームのキャンプに合流しているのが現状。

 田邊氏によれば「二重契約というと変ですが、必ず契約期間はダブります。例えば同じく契約満了で清水から移籍した藤本淳吾(現名古屋)や兵働昭弘(現柏)はどうなのか。彼らは新チームと2月1日からの契約を結んでいるはずなのに、1月から練習に参加している。国内はOKで海外はダメというのはおかしいし、シーズンは終了している。FIFAで定めているルールというのは世界統一なので国内だから、海外だからという主語はない」と見解を述べる。

 シュトゥットガルト側から交渉前の事前通知がなかったという清水側の主張についても、「FIFAルールのその部分とJFAのそれとが微妙に違う。JFAの規約を読むと明らかに(通知を)出さなければいけないが、FIFAの英語の書き方ではそこが曖昧」と説明する。さらに田邊氏は、今冬に海外移籍したクライアントの安田理大(フィテッセ)と槙野智章(1FCケルン)のケースを用いてこう語る。

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