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インタビュー『高橋秀人、サッカーを探求する』(後編)

text by 西部謙司 photo by Kenzaburo Matsuoka

代表に入って感じたこと

――代表に入って感じたことは?

高橋 日の丸を背負うプレッシャー、責任を感じます。強豪との試合で感じたのは、Jリーグで育まれた日本のサッカーは独自で、それが通用しているところと足りないところがある。

――不足しているのは何でしょう。

高橋 Jのサッカーは繊細すぎるというか、ダイナミックさやコンタクトスキルが弱い。ファウル気味の当たりに逃げる傾向があると思います。

――通用しているところは?

高橋 勤勉性、献身性、全員が攻守に同じことを何度でも繰り返せるところですね。局面での俊敏性、短い距離でのテンポのいいパスワークもあります。遠征のフランス、ブラジル戦は、世界トップとの距離を測る目的がありました。そこで相手に合わせて対策しても、本当の距離は測りにくい。ブラジル戦はオープンな試合になりましたけど、いろいろな可能性が見られたと思います。

――0-4のスコアをどう見ますか。

高橋 0-7になったかもしれないし、1-2の可能性もあった。まず、カウンターをどう防ぐか。ブラジルには2人でもボールを運べる力がありました。2対4なのにとれない。パス、ドリブル、シュートといろいろなことができる持ち方をされるので防ぎにくい。あとは、(本田)圭佑さんがシュートを打った場面がありますけど、あのシュートの精度をどう上げていくか。いろいろな可能性を含んだスコアだと思います。

――外国の試合はよく見るほうですか。

高橋 いえ、まったく見ないですね。皆、よく見る時間があるなと(笑)。午前に練習して、フィジカルやって、ケガのケアやマッサージして、帰宅するとだいたい6時とか7時ですよね。僕は寝たいです(笑)。ただ、最近はリハビリの最中に見るようになりました。見てるだけで上手くなった気がする。だから皆見ているのかと思いました(笑)。

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