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日韓16チームによる相互錬磨を通じ、大学サッカーのレベルアップを図る

text by ひぐらしひなつ photo by Masaru Goto

ソフト面を拡充させるためには

──九州のユース年代にも力のある選手がいるので、地元で強くしたいという気持ちがあるのですが、九州内の大学が彼らを育てるためには、どういう取り組みが必要ですか。

「たとえば僕がヘッドコーチを務めている九州国際大にしても、これから結果を出していかなくてはならない。まず、夏に人工芝のグラウンドができる予定す。それもひとつのきっかけにはなると思うので、ハードを整えつつ、ソフトの部分をどうやって育てていくかを考えることが大事だと考えています。それを積極的に内外に発信すること。あとは指導者ですよね。『あの人がいるからうちの選手を預けよう』という部分で」

──ハード面に関しては大学に働きかけるしかないわけですが、ソフト面を拡充させるには具体的にどういうことが必要ですか。

「ひとつには、こういう大学主催のフェスティバルですね。どうしても井の中の蛙のように、限られた地域内のサッカーしか知らないという状況はよくないです。他の地域にもいろいろなスタイルのチームがありますし、たとえば早稲田大のように日本一になったチームが来てくれて、対戦できる状況をつくることが大事ですね。

 日本一のレベルに達するまでに何が必要なのかは、テレビで観戦しているだけでは見えてこないし、やはり実際に対戦してみなくては。間違いなくボコボコにされると思うんですけど(笑)。そのなかで、それぞれのチームがどう課題を見つけ、考えて上を目指していくかということですね。そういう場をつくるのが我々の仕事だということです」

──これまでに関東や関西のチームと対戦したなかで、個の力の差というのは感じられるんですか。

「いや、それほどは感じないですね」

──組織力の問題だとなると、現在の指揮官批判になってしまいますが……。

「正直、それはあると思います。選手をコントロールしたり、組織の長としているわけですから、もっといろいろ勉強しなくてはならない。そういう意味では福岡大の乾監督は、貪欲です。スペイン留学を実施するなど海外にも目を向けて、選手を育てることを考えておられます」

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