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編集日記 11年前

遠藤保仁のゲームメイク術を読み解く【川口昌寿 週刊パワープレー】

少年時代から、広い視野を持ってプレーしていたという遠藤保仁。一瞬で状況を読み取る、彼の特長はどのようにして育まれてきたのか。4月3日ごろ発売が予定されている『眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意』の内容に触れながら、その一端を紹介する。

text by 川口昌寿 photo by Kenzaburo Matsuoka

 こんにちは、サッカー編集部・川口です。

 3月26日、2014年FIFAワールドカップブラジル大会アジア地区最終予選のヨルダン戦に勝てば、ブラジルワールドカップ出場が決まるサッカー日本代表。

 ピッチコンディションやジャッジといった危惧されているアウェイの影響は未知数ですが、これらが日本にとって不利に働くことは十分にありえることかもしれません。ただ警戒するあまり、守りに重きを置いたサッカーをするよりも、個人的には負けを覚悟でアンマンの地で、攻めきって5大会連続の出場切符を手にしてもらいたいと思います。


【写真:松岡健三郎】

 そして、4月3日、遠藤保仁選手と西部謙司氏の共著『眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意』(カンゼン)が発売となります。

 いわずと知れた、日本サッカー界最高峰の“頭脳”を持つ、国内屈指のプレーメーカー・遠藤保仁選手が自身のプレービジョンやサッカー観、戦術理論について語った一冊です。

 33歳でいまなお、日本代表とガンバ大阪の中心でプレーし続ける遠藤選手が相手を崩すために駆使している「眼・術・戦」の極意について、サッカージャーナリスト・西部謙司氏が分析・解説しながら丹念に紐解いていきます。

 一見派手さのない淡々としたプレーのなかに正確な技術と大胆な発想を備え、試合の流れを変えるゲームメイクはどのように実行されているのか。

 マンチェスター・ユナイテッドやフランス代表、ブラジル代表など、強豪と対峙したとき、遠藤選手はまず優位な戦況を作り出すためにボールやゴール、敵味方21名、時にはベンチにいたるまで、あらゆる情報を眼でとらえ、ピッチ上の状況を瞼に焼きつけるように記憶していく。

 今回は本書より、遠藤選手の眼に見えているピッチ上の世界の一端を紹介します。

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