確立された対バルサ戦術とメッシ封じ。「バルサ対策」への「対策」は可能か?

数年前と比べバルセロナを相手にしても互角、あるいはそれ以上の戦いができるチームが増えてきた。徐々に確立されてきたバルサ対策とはどんなものか? そしてバルサはそれを打ち破ることができるのか?

2013年04月18日(Thu)11時00分配信

text by 西部謙司 photo Kazuhito Yamada / Ryota Harada
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浸透したバルサ対策

 もしバルセロナと対戦したならば……。2年前には「打つ手なし」だったかもしれない。しかし現在では、ある程度バルサ対策は浸透してきた。それで勝てるかどうかはともかく、どうすればいいかはわかってきた。

 最も効果的な対策は、バルサからボールを取り上げてしまうことだ。バルサはボールポゼッションの高さを前提に戦術を組んでいるので、その前提を崩してしまえばいい。ただし、この方法に成功したチームはない。試みたチームすらほとんどない。バルサ相手にボールポゼッションで上回るのはほぼ不可能だからだ。

 次善の策は、バルサにボールを支配される時間が長いことを認めた上で、いかに守るか、守りながらどうやって得点するかになる。守り方は3つに分けられる。

【1】前線からプレス
【2】自陣の1/2あたりにディフェンスラインを敷いてコンパクトに守る
【3】ペナルティーエリアの外のライン付近にディフェンスラインを敷く

 ただし、この3種類の守り方のどれかを選択しても90分間やり通すのは難しく、3つを試合中に使い分けていくのが現実的な守り方になっている。

 まず、前線からのプレスはキックオフ直後から行うチームが多い。リーガ・エスパニョーラでは、バルサよりもかなり格下のチームでさえも果敢にプレスにいく戦術が用いられている。

バルサはあまりロングボールを使わず、自陣深くからでもパスをつないでいく。まだスタミナが十分なうちに厳しく追い込んで守れば、バルサ陣内でボールを奪うチャンスも出てくるからだ。しかし、この方法は長く続けられない。早ければ5~10分で、バルサにボールを支配される。

 バルサがボールを支配した段階で、2種類の守り方のどちらかを選択することになる。なるべく高い位置にディフェンスラインを敷いてコンパクトに守る方法が1つ。あるいは、中盤を明け渡して一気に後退し、深く引いて守る。奪った後の攻撃のやりやすさでは前者がいいが、ラインが浅いために裏を狙われるリスクが高い。

後者は裏のスペースが小さいので安定感はあるかわりに攻撃がやりにくい。ただ、高いラインどりもいったん裏をとられてしまえば後退するしかないので、結果的に深く引いて守るケースがほとんどだ。

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