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ドイツで身に付けた確かな守備戦術 成長を続ける内田篤人の課題だった“対角線の守備”とは?

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

中央と上手く連携し、守備で貢献した内田

 この試合でも右サイドバックでスタメン出場した内田だが、通常に増して守備面の貢献を求められた。特に守備のポイントとなったのが、逆サイドからの攻撃に対する中央のディフェンスだ。フライブルクはサイドからのクロスがチャンスの大半を占める。

 同サイドでクロスを上げさせないことはもちろん、反対側から“対角線のクロス”を上げられた時に中央で跳ね返す仕事も重要になってくる。

 開始6分にフライブルクはマキアディとの連携で右サイドを突いたムイジャがDFラインとGKの合間に向けて速いクロスを放った。内田が中に絞ったファーサイドには2人の相手選手がいたが、内田は彼らより手前でクロスの軌道上に入り、中央で相手FWギンターと競り合うヘーベデスをカバーした。

 しかし、ヘーベデスの出した左足をかすめたボールは不規則な軌道でバウンドし、タイミング悪く内田の前を通過。そこに左から攻め上がっていたヘーンが左足で合わせに行くが、ミートできずにボールは大きくゴールマウスを外れていった。

 序盤の大きな難を逃れた内田はその後も右サイドのライン際で対面のMFケルクをケアしながら、的確な状況判断とポジショニングで左右のサイド攻撃に対応。32分には逆サイドからのアーリークロスを戻りながらヘッドクリアするなど、中央のヘーベデスとうまく連動して、ドイツ代表に選ばれたFWクルーゼに決定的な仕事を許さなかった。

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