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連載コラム 11年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第3回・監督としてのデビュー。チームマネジメントの葛藤と覚悟

3月30日 Club management

 4月から始まる関東社会人リーグの監督会議。場所は新宿の京王ホテルで行われた。

 そこにはヴェルディなどで活躍した米山篤志さんもいた。米山さんは昨年からすでに監督をされていたが、地域リーグの監督にJを経験した若い監督が就任する時代なんだなと改めて思い、ここからの飛躍を夢見て胸がワクワクしたのを覚えている。

 もうひとつうれしかったのは自分の出身である、三菱養和も同じカテゴリーに参戦していること。

 監督会議の場では一言ずつ関係者の前でスピーチをするのだが、三菱養和の監督は自分の恩師の漆間信吾氏。自分を中学から高校まで鍛えてもらい、浦和レッズへの入団テストの際には間をとり持っていただいた真の恩師である。移籍する時も、解雇になった時も、引退する時も、いつも相談をしていた方だった。その方と監督として対戦が実現するのは珍しい事だし、大げさに言うなら日本にサッカー文化が根付き始めたと感じられる出来事だった。

3月 Off the pich

 家族との時間がないのは相変わらずのことで、妻には今でも相当な負担かけている。

 今年3歳になる息子は、浦和時代から続けていたプールなどの習い事、来年から通う幼稚園選びなどいくつかやることはあった。妻には下調べをしてもらい、実際にいくつかの幼稚園、保育園を見て回った。

 子供の教育環境を選ぶのは難しいものだとつくづく思う。新しい土地に来たとき、家族が頼れるネットワーク作りは大切な要素だが、ここは選手だったそれまでとは違い、監督という立場上、選手家族とプライベートで懇意にするというわけにはいかない。またクラブスタッフが少ない現状では、なかなか家庭をかえりみることができず今も苦労している。

 というわけでOff the pichでゆっくりできない現状はなかなか改善されずにいた。

【第4回につづく】

プロフィール

西村卓朗

1977年8月15日生まれ、東京都出身。

【サッカー選手歴】
スポーツクラブシクス-三菱養和SS(ジュニアユース、ユース)-国士舘大学-浦和レッドダイヤモンズ(2001-2004)-大宮アルディージャ(2004-2008)-Portland Timbers(2009/アメリカ2部)-Cystal Palace Baltimore(2010/アメリカ2部)-コンサドーレ札幌(2011)

【コーチ歴】
浦和レッドダイヤモンズ ハートフルクラブ普及コーチ(2012)
VONDS市原監督(2013~)

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