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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。“遊牧民”たちを惹きつけたチャンピオンズリーグの成功

シリーズ:W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール text by 田崎健太 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

第1回は16クラブが参加したチャンピオンズリーグ

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世界のサッカー情勢を大きく変えた欧州CLの誕生【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 クラブチーム欧州ナンバーワンを決めるこの大会の歴史は長い。

 第二次世界大戦直後、フランスのスポーツ紙『レキップ』発行人のガブリエル・アノーが、欧州のビッグクラブを集めてトーナメント大会を開くという考えを持っていた。アノーは各クラブに連絡を入れ、賛同した15クラブの代表者たちがパリに集められた。この会議の翌年、1955-56年シーズン欧州チャンピオンズ“カップ”が開催された。

 第1回の出場クラブは、レアル・マドリー(スペイン)、ACミラン(イタリア)、FCザールブリュッケン(西ドイツ)、ロートヴァイス・エッセン(西ドイツ)、スタッド・ランス(フランス)、PSVアイントホーフェン(オランダ)、スポルティング・リスボン(ポルトガル)、パルチザン・ベオグラード(ユーゴスラビア)、セルヴェッテ(スイス)、ラピド・ウィーン(オーストリア)、ハルバーニアン(スコットランド)、ユールゴーデン(スウェーデン)、グヴァルディア・ワルシャワ(ポーランド)、ブダペスティ・ヴルシュ・ロボゴ(ハンガリー)、アンデルレヒト(ベルギー)、AGFオーフス(デンマーク)、の16クラブだった。

 参加クラブ全てが、各国リーグ優勝クラブではなかった。この第1回大会のみ国際サッカー連盟(FIFA)主催となっている。

 現在の五大リーグのうち、イングランドのクラブはこの中に含まれてない。サッカーの母国として自己愛の強い英国は、スコットランドも含めて第一次大戦後にFIFAから脱退している。

 第二次世界大戦後に再加盟しているものの、他国との連携には消極的だったのだ。自国のサッカーこそが最高で、他の国とわざわざ欧州一を競う必要がないと考えていたのだ(その後、イングランドの優勝クラブも参加するようになった)。

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