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ルーニー獲得に執念を燃やすが――。モウリーニョはトーレスを再生させることが出来るか?

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

なぜルーニーを欲しいのか

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モウリーニョはトーレスを再生させられるか?【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 モウリーニョは、2度目のチェルシー就任で、オーナーが求める攻撃的スタイルの確立に本腰を入れている。プレシーズンの試合でも、4-2-3-1の陣形が攻撃時には4-1-2-3となり、前方に人数を割く意識が見てとれた。

 となれば、警戒心を強めるはずの敵に対し、ルーニーのようにテクニックとパワーを併せ持ち、「狭いスペース」でも仕事ができるストライカーが好ましい。

 だが、そのルーニーの獲得が実現しても、トーレスが見捨てられることはないと見る。ショートカウンターが有効な試合で、フィニッシャーとして頼ることができるからだ。攻撃色を強めるとはいえ、モウリーニョが勝利にこだわらないはずがない。

 実際、「進化の過程で勝利意欲を忘れては意味がない」と言っている。対戦相手も攻めてくるリーグでの強豪対決、結果重視が妥当なアウェイでのCL戦などが、トーレスを生かせる舞台と考えられる。

 29歳のトーレスは、大舞台での経験と実績で、20歳のロメル・ルカクと、1歳違いのデンバ・バという、他の既存CF2名を上回る。スルーパスをゴールへの軌道に乗せるタッチでバを凌ぎ、GKとの1対1でルカクより説得力がある。

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