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優勝するためにデータ上は「あと2敗」が限度? 失点多いマンUはどこを改善すべきなのか?

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

敗戦の多さに直結する、被先制率の高さ

 勝ち点を積み重ねるには、もちろん負けが少ないほうがよい。しかしシーズン残り試合を無敗で乗り切るのは、現状のチーム状況を考えれば難しい。では、あと何回までなら敗戦が許されるだろうか?

 過去6年間の優勝した年で最も負けが多かったのは、07-08と12-13シーズンの5回。すでに3回負けている今季は、あと2回負けても「ギリギリセーフ」。裏を返せば、ほとんど後がない状態だといえる。

 続いて、「被先制率」「逆転率」「1試合あたりの得点数/失点数」を見ていこう。

・被先制率:57%(過去7シーズンで最高)
・逆転率(被先制試合の内):25%(過去7シーズンで2番目に少ない)
・1試合あたりの得点数:1.43点(過去7シーズンで最少)
・1試合あたりの失点数:1.29点(過去7シーズンで最多)

 敗戦を防ぐためには、試合をうまく運ばなければならない。「うまく試合を運べているかどうか」の指針として調べたのが、「被先制率」だ。今季は7試合中4試合、57%も先制を許している。

 過去7シーズンの優勝した年で最も被先制率が高かったのは12-13シーズンの52%(18試合)だが、この数字はあまり参考にしないほうが良い。なぜなら、先制された試合の内67%(12試合)という異例の逆転率を叩きだしているからだ。

 このシーズンの次に逆転率が多いのは08-09シーズンの57%、09?10シーズンの40%と続く。そして、今季はわずか25%。この逆転率をみると、今季は勢いや勝利に対する執念が例年に比べて弱いことがわかる。

 そして、それにも関わらず被先制率57%という数字は、多すぎる。実際、12-13シーズンを除いたとしても07-08シーズンと10-11シーズンの被先制率はいずれも26%(10試合)と今季の半分以下。先制される試合を減らさなければならないのは、明らかだ。

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