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Jリーグ 10年前

実は後半戦1位の新潟。意外でなかったマリノス戦勝利から見える、2ステージ制以降後の超混戦と大混乱

text by 川端暁彦 photo by Asuka Kudo / Football Channel

混乱が予想される“優勝争い”報道

 個人的には報道する側の人間なので、カオス状態となることが予想されるセカンドステージをどうやって読者に分かりやすく伝えればいいのかを考えると、いまから頭が痛い。

 たとえば、今年の第33節のように地上波生中継が行われたときを考えてみよう。

 そこで「年間順位1位の横浜FMとステージ1位の新潟の戦いです。横浜FMは年間1位を狙う状況にありますが、敗れると年間1位はまだ狙えるものの、ステージ2位以内に入ることは厳しくなります。一方の新潟は年間順位では8位と低迷していますが、現在ステージ1位でスーパーステージ出場を狙える状況にあります」では、一般の視聴者はさっぱり意味がわからないだろう。

 ただ、「順位表が二つあって、二つの優勝争いがある」というレギュレーションは、つまりそういうことなのだ。

 極めてややこしいセカンドステージをどうやって広報していくのか。この問題については、いまから議論しておいて損はない。「スポーツニュースに流してもらうのは、年間とセカンド、どっちの順位表がいいの?」「どうやって解説してもらえばいいの?」という基本的な部分からしっかり考えていかないといけない。

 別にJリーグの広報部門に責任を押し付ける気はない。メディア側も考えておく必要がある。まるで注目されていない論点ではあるのだが、これはスーパーステージ制を導入していくにあたって、絶対に備えておく必要のある問題だ。

【了】

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