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南米最強の守備力と後半要注意の攻撃力。知将率いるコロンビアのどこを攻略すべきか?

徹底したスカウティングとメンタル強化

 ペケルマン監督は、アシスタントコーチの他にデータ専門のスタッフを従え、対戦相手の分析はもちろん、国内外でプレーするコロンビア人選手の膨大な情報を常に収集・更新している。いかなる試合展開にも柔軟に対応するべく、様々な戦術に当てはまる選手の最新データをしっかりと管理しているのだ。

 これは今に始まったことではなく、94年にアルゼンチンのユース代表の総監督に就任した頃から続けていることで、05年、アルゼンチンA代表を率いて高地ラパスでボリビア相手に逆転勝利をおさめた試合でも、酸欠によるパフォーマンス低下を避けるため、赤血球のヘモグロビン量が多い選手を選んでプレーさせたというのは有名な話である(ちなみに同試合でも、アルゼンチンがマークした2ゴールはいずれも後半のものだった)。

 また、アルゼンチンのユース代表時代からペケルマンのスタッフとしてチームに帯同していたスポーツ心理学士も、現在はコロンビア代表選手のメンタル強化に一役買っている。長年ワールドカップに出場できなかったトラウマを一掃し、劣勢になっても後半で巻き返すだけの精神力をチーム全体に浸透させたのだ。

 そんなペケルマン監督のチームがブラジルで目指すべき目標は、最低でもベスト8。「3大会ぶりの出場」を果たした国としては本来、GLを通過するだけで十分だが、今回はシード国としての実績とプライドをもって挑むことから、まずは過去に例のない準々決勝進出を目指したいところだ。

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