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【独占インタビュー】大東和美チェアマンが語る、Jリーグが2ステージ制にしなければならない理由

text by 田中滋 photo by Asuka Kudo / FootballChannel

分配金を今後はどうするのか?

「今、私どもは放送権料や協賛金をリーグで一度受けて各クラブに配分していますが、このバランスもやはりある一定の部分は配分するんですけれど、ある余った部分は集約して傾斜配分しても良いと、僕は思っています。

 つまり、がんばったクラブ、汗をかいたクラブ、そういうところにより多くのサポートをしていく方が、クラブ間の競争が出てくるんじゃないかと思います。いまビッグクラブと言われる優勝を争うような4つ、5つのクラブには、さらにもっと大きくなって欲しい。

 そのためにはお客さんがもっと入ってもっと入場料が入って、スポンサードも入って、海外の強い選手を呼んでさらに強くしてく。いろんな角度から言いますけれど、ACLでは勝てていない。今年は柏がベスト4までいきましたけど、4つのクラブともラウンド16を越えていくようなクラブになって欲しいと思いますよね。

 一方、来年からJ3が始まりますが、それは地域に根ざした形のJです。そういったバランスをしっかりやっていく必要があります。ですから、そのためには競争というものが必要です。そのなかでクラブの特色が出てきた方が面白いと思います」

――今までのやり方は護送船団方式と批判されることもありました。

「ここまで成長するためには必要だったと思います。だけどいろんな段階があって、これからは違う。我々は『共生から競争へ』と言っています。今まではそういう形で来たかもしれませんが、これからさらに成長していくためには、また違うステップに行かなければならない。

 より成長していかなければ、日本サッカー界も伸びていかないと思います。さっき代表との比較もありましたけど、代表戦はお客さんの少ないときもありましたけど、今では少なくとも日本でやるときはチケットが売りきれるような状況です。

 そして代表と言えば、埼玉スタジアム。サッカー専用のスタジアムでやっている、あの臨場感ですよね。やっぱりああいう満杯感は応援している皆さんはたまらないと思うんですよね。

 Jリーグには、ああいう一体感がまだまだ足らないところがあるのは事実。スタジアムの満杯感は欲しい。そのためにもスターが欲しい。今回の東アジア杯で勝って、代表に柿谷選手が入るとセレッソ大阪もお客さんが増えています。ああいうスター性というのは必要だと思いますよね」

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