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FIFAランク1位のスペイン、連覇に黄色信号か。“無敵艦隊”が抱える5つの不安要素

text by 山本美智子 photo by Kenzaburo Matsuoka

不安要素③・④:カシージャスの不遇と不安定なDF陣、チャビの不調

FIFAランク1位のスペイン、連覇に黄色信号か。“無敵艦隊”が抱える5つの不安要素
スペイン代表の正GKであり、キャプテンでもあるイケル・カシージャス【写真:松岡健三郎】

 スペイン代表の正GKであり、キャプテンでもあるイケル・カシージャスが、クラブでスタメンを張っておらず、毎試合プレーしていないというのはデル・ボスケ監督にとっても、非常に頭が痛い問題だ。

 モウリーニョが去り、カルロ・アンチェロッティが後任になった今も、カシージャスはスタメンを奪回していない。このままの状況が続けば、冬の移籍での移籍も考える、とカシージャスが発言しているのは、夏のワールドカップのことも見据えた上でのことだろう。

 カシージャスから始まり、ディフェンスも落ち着かない。ピケとラモスの相性は、クラブ間の問題がなくても、それほどいいとは言えないし、サイドバックの弱さは、コンフェデレーション杯でも露呈してしまった。

 負傷からジョルディ・アルバが戻ってきたのは朗報だが、右サイドバックの不安は依然として残っている。バルサの強みである中盤は代表でも活かされており、それに負傷から復帰したアロンソが加わり、相変わらずスペイン代表の中盤は、スペインにとって最も強力な武器だが、それまで中心だったチャビがここに来て精彩に欠けている。

 毎回、大きな大会があると、それに合わせてきっちり体調を戻してきたチャビは、ベテランでリーダーシップも取れるとあって、ピッチの内外でデル・ボスケ監督からの信頼も厚い。チャビの体調が、スペインの代表を左右することになるといっても、過言ではない。

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