フットボールチャンネル

日本代表 10年前

遠藤が回想するザックジャパン、アルゼンチン・韓国戦。発言から見えるベルギー遠征との共通点

text by 元川悦子 photo by Kenji Yasuda , Asuka Kudo / Football Channel

「コンパクトにしつつ高い位置で取りたいと。それは実践できていた」

遠藤が回想するザックジャパン、アルゼンチン・韓国戦。発言から見えるベルギー遠征との共通点
最年長の遠藤も新たな4年間に期待と意欲をのぞかせた【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

「守備に関しては、勇蔵以外はワールドカップメンバーだった(駒野、内田、今野、長友佑都)ので、ベースができていた。ボールをできるだけ高い位置で取りたいという意識はしていた。

 後ろで引いてるだけじゃ面白くないし、コンパクトにしつつ高い位置で取りたいと。それは実践できていたと思います」と遠藤は守備に関して前向きな評価をしていた。韓国相手に無失点という結果は確かに御の字だろう。

 けれども肝心の攻撃の方は不完全燃焼感が色濃く残った。香川真司も「なかなか出ていくスペースがなかった」と悔しそうな様子を吐露した。

 それでもザックジャパンのアルゼンチン戦勝利を含め、悪くない船出を見せた。

「真司や圭佑もよかったし、松井さんなんかも若いやつに負けてられないって意欲を出していた。みんなすごく伸びてきているし、すごく頼もしい」と長谷部誠も言うように、チームとして前進している感覚は持てただろう。

「みんな少しずつザックさんのやりたいことが分かってきていると思うし、それが少しずつ形になってきているのも練習から見えてきてる。そういう感じでどんどんやっていければいいですね」と最年長の遠藤も新たな4年間に期待と意欲をのぞかせた。

 この連戦と3年後に行われたオランダ・ベルギーとの連戦。どちらも1勝1分けだったが、内容面でも共通点は見られる。前からはめる、高い位置からの守備が機能していたことだ。「実践できていた」と遠藤が発言していることからもそれは分かる。

 ザックジャパンはスタートからストロングポイントが見えていた。そして今も変わらない。試行錯誤の末に原点回帰した姿なのか、それともそこに進化は見られるのか。代表を支えた遠藤保仁に改めて問いてみるテーマであろう。

【了】

関連リンク

“ジョーカー”起用も代表の活性化を感じた遠藤
ヤット流ゲームメイクの極意
遠藤保仁の少年時代とは?
遠藤保仁(ガンバ大阪)天才のプレービジョン

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top