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日本代表 10年前

李忠成にとって試練の半年。アジアカップの輝きを再び取り戻すことができるか?

text by 元川悦子 photo by Kenzaburo Matsuoka

「選手もスタッフも最高のチームで戦ったから最後の得点が生まれた」

李忠成にとって試練の半年。アジアカップの輝きを再び取り戻すことができるか?
李にとって試練の半年が始まる【写真:松岡健三郎】

 こういう仕事ができたのも、ホントにチームスタッフみんなのおかげですね。ベンチワークというか、試合に出てるメンバーだけじゃなく、ベンチにいる選手のモチベーションを保ってくれたのが自分助けになったし。

『お前は絶対来るぞ来るぞ』ってトレーナーの早川(直樹)さんだったり、通訳の矢野(大輔)さんだったり。あの人たちが自分を信じて言い続けてくれた成果だと思います。だから僕も『自分はヒーローになる、ヒーローになる』って思ってやってた。信じた結果だと思います。

 選手もスタッフも最高のチームで戦ったから最後の得点が生まれた。1人でも欠けてたら自分はああいうゴールにつながってなかった。このチームで戦えてホントに戦えて幸せでしたね」と彼は興奮冷めやらぬ様子で語り続けた。

 決勝戦の夜も自分の歴史的シュートを何度も何度もYou Tubeで見続け、感激の余韻を味わったという李忠成。多くのサッカーファンは、今でもあの美しい姿を覚えている人は多いはずだ。

 ところが、その後の李は波に乗れなかった。サウサンプトンでは出場機会にめぐまれず、最近では代表からも縁遠くなっている。そして浦和への移籍に合意したとの報道もある。代表入りを目指しての日本復帰だろう。もちろんそれを実現するためには、まず浦和での厳しいポジション争いに勝たなければならない。

 アジアカップでは、決勝のような大舞台で結果を出せるだけの技術、度胸、勇気、そして運を持ち合わせていることを示した。W杯メンバーに入るためには、それが偶然ではないことを証明しなくてはならない。李にとって試練の半年が始まる。

【了】

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