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アジア 10年前

豪州を去る小野伸二、永井龍とミッチ・ニコルズはセレッソへ。日本人選手が残した功績

text by 植松久隆 photo by Taka Uematsu

期待したい日本人選手のバリューとプレゼンス

 2012年のACLでの対戦以来、ニコルズの動向をチェックしてきたというランコ・ポポヴィッチ新監督たっての希望での移籍ということだが、素直に「お目が高い」との賛辞を送りたい。

 古巣のブリスベン・ロア、去年からプレーしていたメルボルンVと豪州随一の名将でサッカルーズ監督に就任したアンジ・ポスタコグルーの薫陶を受け続けてきただけに、セレッソでの活躍次第ではブラジル行きの可能性も広がる逸材のJリーグでのブレークを期待したい。

 ここまで書いて、あることに気付いた。小野、永井、ニコルズの全ては、豪州側からしてみれば「去る人」。今季のAリーグの残り試合が少なくなっていく中で、日本から「来る人」の超短期移籍の実現は難しいだろう。

 そうならば、少し先ではあるが、今年10月に開幕の来季のAリーグで、新たな日本人選手の姿を見られることを願いたい。

 天才・小野伸二の活躍で高まった日本人選手のバリューとプレゼンス――それらを無駄にしてしまうのは、余りに惜しい。小野の志を継ぐ者が豪州の地に降り立ってくれるものと、自称“豪州番”としては、そう強く願わずにはいられないのだ。

【了】

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