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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第8回 全国大会の切符をかけた大一番

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

6月30日 On the pitch 全国社会人大会2回戦 FC Korea戦

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第8回 全国大会の切符をかけた大一番
【写真:©VONDS市原】

 今シーズンの大一番がやってきた。4月28日の浦安戦以来のビックマッチだった。4月の頃はまだ監督としても様々な怖さや難しさを知らない時期で、チーム状況も客観的に見られるような段階ではなかったが、この6月には短いなりにも色々な経験をし、VONDSというチームが少しずつ分かりかけていた時期だった。だからこそ、この試合でVONDSの立ち位置を見極められると考えていた。

 Koreaの試合は少し前にスカウティングを行っていたので、どのポジションにどんなタイプの選手がいるかはすでに頭には入っていた。身体能力に優れたチームでよく走るし、球際は戦える。21番は能力が高く、10番はよく走る。7番はフィジカルが強靭で、ヘディングも強い。

 VONDSが勝つには規律を徹底して、相手選手にスペースと時間を与えない。

 格上とやるうえでの鉄則である。そのために全体をコンパクトにしてボールの出所に制限を加える。FWの追う高さを設定して、この試合に限ってはこれまでFWだった村山をMFにして守備意識を高めたかったので、アルディージャではお馴染みだった4-1-4-1のシステムを採用した。

 苦しい状況は相変わらずだった。怪我で多くの選手が離脱。学校行事や職場の繁忙期でこの日のメンバーは11人+4人のサブメンバーをそろえるのがやっとの状況だった。
そんな中、試合直前にできることは何かと考え、あえて、ミーティングでは選手のメンタル面に直接強く働きかけることにした。

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