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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第8回 全国大会の切符をかけた大一番

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

「魂込めて蹴りました」

 試合直前のミーティングでは、92年アジアカップのグループリーグ最終戦イラン戦で決勝ゴールを決めたカズさんの言葉を紹介した。

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第8回 全国大会の切符をかけた大一番
【写真:©VONDS市原】

「魂込めて蹴りました」

 この言葉を自分はとても気にいっている。

 今まで自分も大きなゲームを少ない数ではあるが経験してきた。その中で大切だと思ったのは、やはり最後はメンタル面。技術や体力は急激に変化はしないが、メンタルだけは短い期間で変化を加えられる。試合直前に自分がしたのは戦術面の徹底とモチベーションへの働きかけという極めてシンプルなことだった。

何かいい方法があるはずとここ数週間はKoreaに勝つためには何が良いかを四六時中考えていたように思う。

 実際に行ったのは引いて守り、最終ラインに持たせる展開を意図的に作ること。すると、相手はボールをFW目掛けてシンプルにボールを入れてきた。空中戦のファーストボールは濱屋、斉藤がしっかり競って跳ね返し、21番が間で受ける展開には、すかさずアンカーの秋葉が挟み込み、仕事はさせない、狙い通りの展開となった。

 カウンターも徐々に決まるようになり、相手が慌てて、長い距離を戻る展開が増えていった。

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